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5級海技士 筆記試験の傾向と対策|過去問12回分析でわかった頻出テーマ

※ PRが含まれる場合があります

こんにちは。船員くんです。(@tankerkun)
船員くん

この記事はこんな方におすすめ

  • 「5級海技士の筆記試験、何から勉強すればいいかわからない」
  • 「過去問を解いてるけど、どこが頻出なのか整理したい」
  • 「限られた勉強時間で効率よく合格点を取りたい」

 

5級海技士 筆記試験の全体像

ヒヨコくん
5級海技士の筆記試験って、何科目あるの?配点とか時間もよくわからなくて……
航海・運用・法規の3科目だよ。航海と運用が各100点×4問=400点で2時間半、法規が100点×3問=300点で2時間。全部記述式だから、丸暗記じゃなくて「自分の言葉で書ける」レベルまで理解する必要がある
船員くん

 

5級海技士の筆記試験は、航海(コ)・運用(ウ)・法規(ホ)の3科目で構成されています。

試験は年3回(4月・7月・10月)+2月に定期試験が実施されます。

 

試験科目と配点

  • 航海(コ):大問4題×100点=400点満点(2時間30分)
  • 運用(ウ):大問4題×100点=400点満点(2時間30分)
  • 法規(ホ):大問3題×100点=300点満点(2時間)

 

この記事では、直近12回分の過去問(2023年4月期〜2026年2月期)を分析し、科目別の頻出テーマと効率的な勉強法をまとめました。

5級は出題パターンの繰り返しが非常にはっきりしています。闇雲に過去問を解くよりも、「何が繰り返し出ているか」を把握してから勉強する方が圧倒的に効率がいいです。

 

航海(コ)の頻出テーマと勉強法

ヒヨコくん
航海って海図の問題が難しそう……。計算問題もあるんでしょ?
海図は練習量がモノを言うけど、大問1の航海計器と大問3の航路標識は暗記で取れる。ここを確実に押さえれば、海図問題が多少ミスっても合格ラインに届くよ
船員くん

 

航海は大問4題構成で、それぞれ出題範囲がほぼ固定されています。

 

大問1:航海計器(磁気コンパス・音響測深機・レーダー等)

大問1は航海計器の知識を問う問題で、12回中ほぼ毎回同じテーマから出題されています。

 

◆ ほぼ毎回出るテーマ

① 磁気コンパスの自差(自差曲線 or 自差表)

12回中10回以上出題。最頻出テーマです。出題パターンは2つあります。

パターンA:自差曲線から読み取り
→ 船首方位ごとの自差を曲線から読み取り、コンパス方位を磁針方位に換算する問題。「コンパス針路○○°で航行中、灯台のコンパス方位を○○°に測った。磁針方位は何度か」という形式です。

パターンB:自差表から読み取り
→ 船首方位と自差の対応表が与えられ、同様の換算を行う問題。「磁針路○○°で航行するにはコンパス針路を何度にすればよいか」という逆方向の問いも出ます。

どちらのパターンでも、「コンパス方位+自差=磁針方位」の関係を確実に使いこなせることが必須です。自差のE(東偏)は+、W(西偏)は−の符号を間違えないようにしましょう。

 

② 偏差のある海域でコンパス方位=真方位となる船首方位

自差と偏差が打ち消し合う船首方位を選ぶ4択問題。自差曲線や自差表から各船首方位の自差を読み取り、偏差と符号が逆で絶対値が等しくなる方位を選びます。

 

③ 音響測深機

12回中10回以上、何らかの形で出題。以下の3パターンのどれかが出ます。

「感度(感度調整)を上げすぎると、表示面(記録紙)はどのようになるか」→ 海底以外のノイズや雑信号が記録されて判読しにくくなる

「水深が浅いときに、濃いはっきりした線で2回反射線、3回反射線が現れることがあるが、これは一般にどのような底質の場合か」→ 岩盤など硬い底質の場合

「海面から海底までの水深を測定するために、どのような調整が必要か」→ 吃水の補正(送受波器の深さ分を加える)と音速の補正

 

◆ 2〜3回に1回出るテーマ

④ 操舵制御装置の切換

「ノンフォローアップ操舵(レバー操舵)に切り替えて使用するのはどのような場合か」→ 狭水道の航行、港内操船、荒天時など細かい舵取りが必要な場面。5回出題。

「自動操舵から手動操舵に切り換えなければならないのはどのような場合か。3つあげよ」→ 狭水道、輻輳海域、視界制限時など。4回出題。

 

⑤ 電磁ログ

「受感部が汚れたり、微生物が付着した場合の影響」と「その防止法」のセット。5回出題。

 

⑥ AISの取得情報

「他船の具体的な情報として取得できるものを3つあげよ」→ 船名、位置、針路、速力、目的地など。4回出題。

 

⑦ ジャイロコンパス

起動時の注意点、航行中の注意点、磁気コンパスと比べた利点など。4回出題。

 

⑧ レーダーの映像鮮明化調整

「物標の映像を鮮明にするために使用する調整には、どのようなものがあるか。4つあげよ」→ 同調(チューニング)、感度(ゲイン)、海面反射除去(STC)、雨雪反射除去(FTC)。3回出題。

 

大問2:海図(チャートワーク)

試験用海図(No.15またはNo.16)を使った実技的な計算問題。毎回ほぼ同じ3題構成です。

 

㈠ ジャイロ誤差の計算

2つの物標(灯台と山頂など)が一線になったとき(重視線)のジャイロコンパス方位から誤差を求める問題。海図上で2物標を結んだ真方位と、測定したジャイロ方位の差がジャイロ誤差です。毎回出題。

 

㈡ 実航磁針路・実速力・正横距離・予想位置

「B丸(速力○○ノット)は、○○灯台から真方位○○°、距離○○海里の地点を発し、磁針路○○°で航行した。この海域には流向○○°(真方位)、流速○○ノットの海流がある」

→ 実航磁針路、実速力、特定灯台の正横距離、特定時刻の予想位置(緯度・経度)を求める。毎回出題。

海図上でのベクトル作図が必要な問題なので、三角定規とディバイダーを使った作図練習を繰り返す以外に対策はありません

 

㈢ クロス方位法またはレーダー+方位による船位

2つの物標のジャイロコンパス方位から船位を求めるクロス方位法、またはジャイロ方位+レーダー距離を組み合わせた船位の決定。毎回出題。

 

大問3:航路標識・潮汐

◆ ほぼ毎回出るテーマ

① 灯浮標の意味(図付き4択)

12回中10回以上出題。灯浮標の図が描かれており、「この灯浮標の意味として正しいものはどれか」を選ぶ問題です。

最も頻出なのは黒+黄色の配色パターン。孤立障害物標識(上が黒・下が黄、またはその逆)や、方位標識(北方位・南方位・東方位・西方位)の配色を正確に覚えておきましょう。

 

② クロス方位法の物標選定の注意事項

「沿岸航行中、クロス方位法により船位を求める場合の物標選定上の注意事項を3つ述べよ」

12回中8回以上出題の超頻出テーマ。回答は以下を丸暗記してください。

→ できるだけ近距離の物標を選ぶ、方位線の交角が30°〜150°になるよう選ぶ(直角に近いほど良い)、海図上で位置が明確に特定できる物標を選ぶ、物標は2個よりも3個選ぶ方が精度が高い(三角形ができて誤差を確認できる)

 

③ 潮汐用語の説明

以下の用語から毎回2つ出題されます。すべての定義を暗記しておきましょう。

潮時差、潮高比、最低水面、大潮、小潮、月潮間隔、高潮と低潮の間隔(約6時間12分)

 

◆ 2〜3回に1回出るテーマ

灯質の定義(等明暗光・互光・閃光など)、レーダー反射器・レーダービーコン(名称と機能)、導灯・照射灯(定義と役割)、潮高の計算(潮汐表と潮時差・潮高比を使った改正港の潮高算出)

 

大問4:航海計算・船位測定法

◆ ほぼ毎回出るテーマ

① 平均速力の計算

「甲丸は、○○時にA地点を発し、○○海里離れたB地点に翌日○○時に到着する計画である。何ノットの平均速力で航行すればよいか」

毎回出題。出発〜到着の所要時間(日をまたぐ場合に注意)を計算し、距離÷時間で求めるだけです。

 

② 変緯・変経の計算

出発地と到着地の緯度・経度から変緯(緯差)と変経(経差)を求める問題、または出発地の緯度・経度に変緯・変経を加えて到着地を求める問題。毎回出題。

NとSをまたぐ場合、EとWをまたぐ場合の符号処理に注意。

 

◆ 2〜3回に1回出るテーマ

③ 船位測定法の説明

以下の測定法がローテーションで出題されます。

「方位線の転位による船位測定法(ランニングフィックスまたは両測方位法)を、図示して説明せよ。また注意事項を述べよ」→ 4回出題

「1つの物標を利用して船位を測定する方法を2つあげ、概略を説明せよ」→ 船首倍角法・4点方位法など。3回出題

「レーダーのみを利用して船位を測定する方法を3つあげよ」→ 3回出題

 

④ その他の頻出テーマ

「狭水道は通常どのような時機に通航するのがよいか。2つあげよ」→ 転流時(潮流が緩む時)と昼間。4回出題

「海図上で2地点間の距離を測る場合、両地点の中間における緯度尺を用いるのはなぜか」→ メルカトル図法では緯度によって縮尺が異なるため。3回出題

「航海計画を立てるにあたり、海図に記載すべき事項はなにか。4つあげよ」→ 針路線、変針点、危険区域、避険線など。3回出題

「2物標のトランシットはコンパス誤差や船位の測定以外にどのようなことに利用できるか」→ 予定航路線の確認、船首目標として利用など。4回出題

運用(ウ)の頻出テーマと勉強法

ヒヨコくん
運用って範囲が広すぎない?船体構造から天気まであるし……
範囲は広いけど、出るところは決まってる。大問ごとに「鉄板テーマ」があるから、そこを押さえれば大丈夫。特にちちゅう法と順走法は毎回出ると思っていい
船員くん

 

大問1:船体構造・部材・整備

◆ ほぼ毎回出るテーマ

① 船体構造の穴埋め問題

「鋼船の船体は、キールに直角な方向に一定間隔にフレームを置き、左右両舷のフレームの上端を【(1)】により連結し、この上に【(2)】が張られる。外板は……上から順次、【(3)】、船側外板、船底外板と呼ばれる。船底外板の湾曲部(ビルジ外板)には、船体の横揺れを軽減するため【(4)】が取り付けられる」

→ (1)フロア(船底肋板)、(2)ビーム(梁)、(3)甲板外板、(4)ビルジキール

5回出題。この穴埋めの正解パターンは丸暗記してください。

 

② 船首の形状

「船首の形状にはどのようなものがあるか。2つあげよ」→ 直立型船首、傾斜型船首(クリッパー型)、球状船首(バルバスバウ)から2つ。5回出題。

図付きで4種類の船首形状を示して名称を答える問題も出ます。

 

③ トン数

排水トン数(排水量)、載貨重量トン数、載貨容積トン数、総トン数の定義がローテーションで出題。毎回どれか1つは出ます。

 

◆ 2〜3回に1回出るテーマ

船尾材(船尾骨材)の形状図示、船底塗料の種類2つ、チェーンロッカー内の腐食理由と入渠中の手入れ、塗装作業(下地の手入れと塗装時機)、フレーム番号の基準と付け方、海藻・貝類の付着しやすい箇所、船体断面図の部材名称(ア〜カ)、船の容積から算出するトン数2つ

 

大問2:安定性・操船

◆ ほぼ毎回出るテーマ

① 復原力の減少場面と横揺れの変化

「航海中に船の復原力が減少するのはどのような場合か。3つあげよ。また、復原力が減少すると船の横揺れはどのように変わるか」

12回中6回出題。超頻出テーマです。

→ 減少する場合:自由水の発生(タンク内液面の動揺)、高い位置への荷物の積み替え、重量物の甲板上への積載など。横揺れ:周期が長く、ゆっくりした揺れになる。

 

② 旋回圏の用語

「次の文にあてはまるものを選べ」という4択問題。旋回横距・最大横距・旋回径・最終旋回径の定義を正確に区別する必要があります。5回出題。

特に紛らわしいのが「旋回横距」と「最大横距」の違い。旋回横距は90°回頭時の原針路からの横偏位、最大横距は180°回頭時の最大横偏位です。

 

◆ 2〜3回に1回出るテーマ

③ 固定ピッチプロペラの一軸右回り船の横付け操船

「右舷横付けの場合と左舷横付けの場合とでは、(ア)船首方向と岸壁との角度 (イ)岸壁間近に接近したときの前進行きあし はそれぞれどのような違いがあるか」「その違いがあるのはなぜか」

5回出題。プロペラの横圧力(右回り船では後進時に船尾が左に振れる)がポイントです。

 

④ 船首いかりの操船上の利用

「びょう泊に利用するほか、操船上どのようなことに利用するか。4つあげよ」→ 急停止、回頭の補助、係留中の船体固定、荒天時の走錨防止など。3回出題。

 

その他の頻出テーマ:旋回運動の穴埋め(転舵舷と反対側へ押出し=キック)、大舵角での転覆原因、トリム(船首トリムの短所・船尾トリム過大の支障・等喫水がよい場合)、投びょう・揚びょう時の注意事項、最短停止距離

 

大問3:気象・海象

◆ ほぼ毎回出るテーマ

① 冬型/夏型の天気図型と日本の天気の特徴

「冬季(夏季)、日本付近に最も多く現れる地上天気図型は『冬型(夏型)』以外に何型と呼ばれるか。また、この型の場合における日本の天気の特徴を述べよ」

冬型=西高東低型 → 日本海側は雪、太平洋側は晴れ、北西の季節風。夏型=南高北低型 → 高温多湿、太平洋高気圧の張り出し。6回出題。

 

② 台風の経路3つ

図付きで3つの典型的な台風経路が示され、各経路をとる時期(月頃)、転向点(進行方向が大きく変わるところ)の名称、転向前後の速度変化を問う。5回出題。

→ ①は7〜8月頃の西進型、②は8〜9月頃の放物線型、③は秋の北上型。転向点は「転向点」または「再帰点」。転向前はゆっくり、転向後は速くなる。

 

◆ 2〜3回に1回出るテーマ

天気図の読み取り(何型か・季節・高気圧名・風向・日本海側vs太平洋側の天気の違い)、天気記号(日本式:晴●、曇◎、雷⊗、雪☆、快晴○)、台風圏内の船の位置判定(風向・気圧の変化パターン)、霧の種類3つ(発生原因別分類)、巻雲の説明を選ぶ問題、高気圧圏内の風と天気がよい理由、風向・風速計がない場合の概略観測法、視程の誤り選択、アネロイド気圧計の読み方注意2つ

 

大問4:運用・当直・安全

◆ ほぼ毎回出るテーマ

① ちちゅう法と順走法

「洋上を航行中、荒天のため目的港への航走を続けることが困難となった場合、天候が回復するまでの間、船の安全を保つためにはどのような方法をとればよいか。2つの方法をあげ、それぞれについて説明せよ」

12回中10回以上出題。5級運用の最頻出問題です。

ちちゅう法:舵の効く程度に機関を前進微速とし、船首2〜3点から風浪を受けるように操船する方法。
順走法:船尾2〜3点から風浪を受けて、荒天区域から逃れることを順走法という。

この2つの説明は一字一句まで書けるレベルに暗記してください。

 

◆ 2〜3回に1回出るテーマ

② 荒天準備の閉鎖箇所4つ

「航行中、荒天準備をする場合、どのような箇所を閉鎖しなければならないか。4つあげよ」→ ハッチ、通風筒、舷窓、マンホールなど。3回出題。

 

③ 沿岸航行中の視界不良時の処置6つ

3回出題。安全な速力への減速、霧中信号の実施、レーダーの使用、見張りの増員、機関のスタンバイ、船位の確認頻度を上げるなど。

 

④ 当直引継ぎ事項6つ

「沿岸航行中、当直航海士は次直航海士にどのような事項を引き継ぐか。6つあげよ」→ 船位、針路、速力、気象・海象、船長からの指示、付近の他船の状況など。3回出題。

 

その他の頻出テーマ:航海日誌の記入注意・書き誤りの処理方法、夜間見張りの注意3つ、物標発見時の船長報告要点、ワイヤロープの切断原因3つ・破断力略算式・安全使用力計算、乗揚げ事故の原因6つ、転落者への対応(プロペラ負傷防止と見失い防止)、船内火災の防止・拡大防止対策、油タンカーの火災爆発防止(喫煙場所とギャレー)、衝突時の措置4つ

 

法規(ホ)の頻出テーマと勉強法

ヒヨコくん
法規って条文の丸暗記が必要?覚えること多すぎない?
条文の一字一句を暗記する必要はない。趣旨を理解して自分の言葉で書ければOK。しかも法規は出題パターンが一番はっきりしてるから、ポイントを絞れば効率よく点が取れるよ
船員くん

 

法規は大問3題構成で、各大問が異なる法律をカバーしています。

 

大問1:海上衝突予防法

◆ ほぼ毎回出るテーマ

① 灯火及び形象物の図問題

毎回3パターンの灯火・形象物の図が示され、「それぞれどのような船舶のどのような状態を表すか」を答える問題。12回すべてで出題。

白灯(○)、紅灯(斜線○)、緑灯(×○)、形象物(●)の組み合わせで船の状態を判別します。

よく出るパターン:航行中の動力船(マスト灯+舷灯+船尾灯)、錨泊中の船舶(白灯2個)、運転不自由船(紅灯2個+舷灯+船尾灯)、漁ろうに従事している船舶、引き船(マスト灯2個or3個)など。

灯火の配置パターンは図で覚えるのが一番効率がいいです。過去問の図をコピーして何度も見返しましょう。

 

② 安全な速力の考慮事項

「レーダーを使用していない船舶が、『安全な速力』を決定するに当たり特に考慮しなければならない事項として、次の(1)及び(2)のほかどのような事項があるか」

(1)と(2)は問題によって変わりますが、回答の選択肢は同じです。6回出題。

→ 視界の状態、船舶交通のふくそうの状況、自船の停止距離・旋回性能その他の操縦性能、自船の喫水と水深との関係、夜間における陸岸の灯火・自船の灯火の背景灯火の存在など。

 

◆ 2〜3回に1回出るテーマ

③ 追越し船の航法

「追越し船」の定義と、追越し船Aと追い越される船舶Bが接近して衝突のおそれがある場合のそれぞれの措置。5回出題。

 

④ 視界制限状態における動力船の義務

機関の準備、音響信号、速力の制限。5回出題。

 

⑤ 汽笛信号

視界制限状態での信号パターン(長音1回=航行中の動力船、長音1回+短音3回=引かれている船舶など)、追越し信号。4回出題。

 

⑥ 灯火の表示時間

「いつからいつまでの間表示しなければならないか」→ 日没から日出まで。「その場合のほか、どのような場合に表示しなければならないか」→ 視界制限状態。4回出題。

 

⑦ 横切り船の航法

避航船と保持船の義務、保持船の段階的義務(疑いがあるときの信号→協力動作→最善の協力動作)。4回出題。

 

⑧ 運転不自由船に該当しないもの選択

4択で「灯火又は形象物を表示しなければならない船舶」に該当しないものを選ぶ。3回出題。「舵の故障のため、びょう泊して修理中の船舶」や「機関故障のため、他の船舶に引かれている船舶」は該当しない。

 

⑨ コンパス方位に変化がなくても衝突おそれを考慮する場合

「接近してくる他の船舶のコンパス方位に明確な変化が認められる場合においても、衝突するおそれがあり得ることを考慮しなければならないのはどのような場合か」→ 大型船やえい航船に接近する場合、近距離で接近する場合。3回出題。

 

大問2:海上交通安全法・港則法

大問2は前半が海上交通安全法、後半が港則法の構成です。

 

◆ 海上交通安全法の頻出テーマ

① 航路の全区間航行義務船舶

「航路の付近にある国土交通省令で定める2地点間を航行しようとするとき、航路の全区間又は一部区間を航行しなければならない船舶」→ 長さ50メートル以上の船舶。3回出題。

 

② 巨大船との行会い→航路外待機指示の航路名

「巨大船と巨大船以外の船舶が航路内で行き会うことが予想される場合、海上保安庁長官が必要な間航路外で待機すべき旨を指示することができる航路の名称を記せ」

4回出題。答えは浦賀水道航路、中ノ瀬航路、来島海峡航路

 

③ 進路を知らせるための措置

(ア)信号表示義務がある船舶、(イ)どのようなときに表示するか。4回出題。

 

④ 航路の略図問題

瀬戸内海の航路略図が示され、航路名の記入、航法違反船舶の特定、衝突時の避航船判定が出題される。3回出題。水島航路・備讃瀬戸東航路・宇高東航路・宇高西航路などの位置関係を覚えておく必要があります。

 

その他:浦賀水道航路の航法(右側航行・速力制限・横断方法)、備讃瀬戸東航路の航法、来島海峡の潮流信号所3つ(大下島・中渡島・馬島)、航路の速力規定

 

◆ 港則法の頻出テーマ

① 航路内での投びょう等が認められる場合

「船舶が航路内で投びょうし、又はえい航している船舶を放すことが認められるのは、どのような場合か。3つ述べよ」

12回中6回出題。法規の中でも最頻出。

→ 海難を避けようとするとき、運転の自由を失ったとき、人命救助に従事するとき。

 

② 港内の防波堤等付近の航行方法

「船舶が、港内において、防波堤、ふとうその他の工作物の突端又は停泊船舶の付近を航行するときは、どのように航行しなければならないか」→ できるだけこれに遠ざかって航行しなければならない。5回出題。

 

③ 特定港の航路出入義務船舶

「特定港に出入するのに航路によらなければならないのは、どのような船舶か」→ 雑種船以外の船舶。「航路内で他の船舶と行き会うときは」→ 右側を航行する。4回出題。

 

その他:危険物積載船の入港手続、喫煙の制限、入港届の提出が不要な船舶

 

大問3:船員法・船員労働安全衛生規則・海洋汚染防止法

◆ ほぼ毎回出るテーマ

① 油記録簿

12回中7回出題。大問3で最も出るテーマです。出題パターンは以下の3問セットか、正誤問題です。

「油記録簿への記載は、通常、誰が行うか」→ 油濁防止管理者(油濁防止管理者が選任されていない船舶では機関長)

「油記録簿は、いつから、何年間船舶内に保存しておかなければならないか」→ 最後の記載をした日から3年間

「上記の事項を規定している法規名を記せ」→ 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律

 

② 安全担当者・衛生担当者の業務

安全担当者の業務として正しいもの(または誤っているもの)を4択で選ぶ問題、または衛生担当者の業務を記述する問題。合わせて10回近く出題。

安全担当者の業務:作業設備及び作業用具の点検及び整備、消火器具の点検及び整備、発生した災害の原因の調査など

衛生担当者の業務:食料及び用水の衛生保持、医薬品その他の衛生用品の管理、負傷又は疾病が発生した場合の応急措置など

安全担当者と衛生担当者の業務を混同しないように注意。

 

③ 廃棄物・ビルジの定義

「廃棄物」→ 人が不要とした物(油、有害液体物質等及び有害水バラストを除く)

「ビルジ」→ 船底にたまった油性混合物

4回出題。

 

◆ 2〜3回に1回出るテーマ

④ 年齢18年未満の夜間労働禁止

「船員法の規定によれば、年齢18年未満の船員(漁船船員及び家族船員を除く。)の夜間労働は、原則として、何時から何時までの間禁じられているか」→ 午後8時から翌日の午前5時まで。4回出題。

 

⑤ 船長の在船義務

「船長が自己の指揮する船舶を去ってはならないのは、いつからいつまでの間か」→ 発航の時から入港の時まで。「所用で船舶を去る必要があるときは」→ 職務を代行する者を指名しなければならない。4回出題。

 

その他:舷外作業の安全確保、海難報告に提示する書類、船員手帳への記載義務、衛生管理者の業務(大型船向け)

次回試験の出題予想【R8年4月期】

ヒヨコくん
次の試験で何が出るか、ある程度わかるの?
5級は同じ問題が連続で出ないパターンがはっきりしてるから、直近2回で出た問題を除外すればかなり絞れる。「予想」というより「消去法」だね
船員くん

 

予想の前提


この予想は直近12回分の過去問パターンに基づく分析であり、出題を保証するものではありません。あくまで勉強の優先順位付けの参考としてご活用ください。
最終更新:2026年3月(R7年10月期・R8年2月期の出題を反映)

 

航海(コ)の出題予想

直近2回(R7年10月期・R8年2月期)で出題されたテーマを除外し、次回に出る可能性が高いテーマを挙げます。

 

大問1(航海計器)

直近2回では自差曲線の読み取り、電磁ログ、ノンフォローアップ操舵、GNSS情報、AIS(正誤問題)が出題されました。

次回の予想:
液体式磁気コンパスの各部品の役目(自差表ではなく構造・役目を問うパターン)。前回は自差曲線の計算だったので、次は構造問題の番
レーダーの映像鮮明化調整4つ。直近2回で出ていない
音響測深機の水深調整方法。前回は感度+多重反射だったので、残りの「調整」パターンが来る可能性大
自動操舵から手動操舵への切換場面3つ。前回のノンフォローアップとは別パターン

 

大問2(海図)

海図問題は毎回同じ構成(ジャイロ誤差+実航磁針路+船位決定)なので、予想の意味は薄いです。ただし、使用する海図番号(No.15 or No.16)と物標名は回ごとに変わります。

 

大問3(航路標識・潮汐)

灯浮標の意味は毎回出るので確実に出る。直近2回は孤立障害物標識と方位標識が出たので、次は側面標識(左舷・右舷)や安全水域標識の可能性
レーダー反射器とは何か。直近2回で出ていない
潮時差・潮高比の説明。直近は最低水面・小潮・大潮が出たので、残りの用語が来る
潮高の具体的な計算問題。直近2回で出ていない

 

大問4(航海計算・船位測定)

→ 平均速力と変緯変経は毎回出る
ランニングフィックス(方位線の転位による船位測定法)の説明と注意事項。直近2回で出ていない
狭水道の通航時機2つ。前回出ていない
海図上で2地点間の距離を測る場合、中間における緯度尺を用いる理由

 

運用(ウ)の出題予想

大問1(船体構造)

直近2回は船首形状の図問題+部材名称+チェーンロッカー+塗装作業が出ました。

船体構造の穴埋め問題(キール→フロア→ビーム→外板→ビルジキール)。前回は図問題だったので穴埋めの番
船体断面図の部材名称(ア〜カ)。2回連続で出ない傾向なのでそろそろ来る
フレーム番号の基準と付け方
船底塗料の種類2つ

 

大問2(安定性・操船)

復原力の減少場面3つ+横揺れの変化は超頻出。直近でも出たが、再出題の可能性は常にある
最短停止距離(定義・操船上の利用・影響要因)。直近2回で出ていない
浅水影響の正誤問題。しばらく出ていない
船間相互作用の正誤問題

 

大問3(気象・海象)

温暖前線と寒冷前線の通過時の特徴(雨の降り方・風向変化)。直近2回で出ていない
天気記号(日本式)。しばらく出ていない
台風の来襲前兆5つ。直近で台風経路は出たが、前兆は出ていない
アネロイド気圧計の読み方注意2つ

 

大問4(運用・当直・安全)

ちちゅう法・順走法は毎回出ると思って準備。ただし直近2回で「ちちゅう法とは何か」「(1)ちちゅう法 (2)順走法の説明」と微妙に問い方が変わるので、両方のパターンで書けるように
転落者への対応(プロペラ負傷防止+見失い防止)。直近で出ていない
船内火災の発生防止+拡大防止。しばらく出ていない
衝突時の措置4つ

 

法規(ホ)の出題予想

大問1(海上衝突予防法)

灯火・形象物の図問題は確実に出る
横切り船の航法(避航船・保持船の段階的義務)。直近2回は追越し船と視界制限が出たので、横切りの番
衝突回避動作の要件(十分に余裕ある時期に・大幅に)
行会い船の航法

 

大問2(海上交通安全法・港則法)

備讃瀬戸東航路の航法。直近で出ていない
航路の速力規定(水島航路・明石海峡航路・宇高西航路)
危険物積載船の入港手続。しばらく出ていない
港則法の航路内投びょう等が認められる場合3つは超頻出で、直近でも出たが再出題の可能性あり
追越し信号(特定港内)

 

大問3(船員法等)

油記録簿は高確率で出る。直近で正誤問題パターンが出たので、次は記述3問セットの可能性
舷外作業の安全確保。直近で出ていない
海難報告に提示する書類。しばらく出ていない
安全担当者の業務(正誤問題)

 

計算問題の解き方【過去問で実践】

ヒヨコくん
計算問題って公式を覚えるだけじゃダメなの?
公式自体は単純だけど、符号の処理や日またぎの時間計算でミスする人が多い。実際の過去問を使って解き方の流れを確認しておこう
船員くん

 

① 自差の計算(磁気コンパス)

5級航海で最も出る計算問題です。コンパス方位・磁針方位・真方位の関係を正確に理解してください。

 

◆ 基本の関係式

コンパス方位(C)+ 自差(Dev)= 磁針方位(M)

磁針方位(M)+ 偏差(Var)= 真方位(T)

自差・偏差の符号:E(東偏)は+、W(西偏)は−

 

◆ 例題1:自差表からの換算

【R8年2月期 航海 大問1】下表は甲丸の磁気コンパスの自差表である。

船首方位:000° → 自差 2°E / 045° → 5°E / 090° → 6°E / 135° → 3°E / 180° → 1°W / 225° → 4°W / 270° → 7°W / 315° → 4°W

(1) 甲丸はコンパス針路270°で航行中、灯台のコンパス方位を302°に測った。この灯台の磁針方位は何度か。

 

【解き方】

手順1:船首方位270°のときの自差を表から読む → 自差 7°W = −7°

手順2:コンパス方位に自差を加える

磁針方位 = コンパス方位 + 自差
= 302° +(−7°)
295°

→ 答え:磁針方位 295°

 

◆ 例題2:磁針路をコンパス針路に変換

(2) 磁針路180°で航行するには、甲丸はコンパス針路を何度にすればよいか。

 

【解き方】

手順1:磁針路180°で航行するときの自差を求める必要がある。ただし自差表の「船首方位」はコンパス針路なので、まず船首方位180°の自差を仮に使って近似する

船首方位180° → 自差 1°W = −1°

手順2:コンパス針路 = 磁針路 − 自差
= 180° −(−1°)
181°

→ 答え:コンパス針路 181°

 

◆ 例題3:自差曲線からの読み取り

【R7年10月期 航海 大問1】右図は甲丸の磁気コンパスの自差曲線である。甲丸はコンパス針路315°で航行中、灯台のコンパス方位を228°に測った。この灯台の磁針方位は何度か。

 

【解き方】

手順1:自差曲線で船首方位315°(=NW付近)の自差を読む。曲線の横軸がW'ly(西偏)側に約4°なので → 自差 4°W = −4°

手順2:磁針方位 = 228° +(−4°)= 224°

→ 答え:磁針方位 224°

自差曲線の読み取りでは、曲線が中央線の左(W'ly側)にあれば西偏(−)、右(E'ly側)にあれば東偏(+)です。

 

◆ 例題4:コンパス方位=真方位となる船首方位

偏差6°Eの海域において、コンパス方位と真方位が一致するのは船首方位がおおよそ何度のときか。

(ア) 000° (イ) 090° (ウ) 180° (エ) 270°

 

【解き方】

コンパス方位=真方位 になるには、自差+偏差=0 であればよい。

偏差が6°E(=+6°)なので、自差が6°W(=−6°)のとき打ち消し合う。

自差曲線(または自差表)で自差が約6°Wとなる船首方位を探す → 270°付近

→ 答え:(エ) 270°

 

② 平均速力の計算

毎回出題される基本計算。ポイントは日をまたぐ場合の所要時間の計算です。

 

◆ 基本公式

速力(ノット)= 距離(海里)÷ 時間(時間)

 

◆ 例題5

【R7年10月期 航海 大問4】C丸は、1645に甲地点を発し、308海里離れた乙地点に翌日の1200に到着する計画である。何ノットの平均速力で航行すればよいか。

 

【解き方】

手順1:所要時間を求める

1645 → 翌日1200

当日の残り時間:2400 − 1645 = 7時間15分
翌日の時間:1200 = 12時間00分
合計:7時間15分 + 12時間00分 = 19時間15分 = 19.25時間

手順2:速力 = 308 ÷ 19.25 = 16ノット

→ 答え:16ノット

 

◆ 例題6

【R6年7月期 航海 大問4】乙丸は、距離122.5海里の2地点間を8時間45分で航走した。平均速力は何ノットか。

 

【解き方】

8時間45分 = 8 + 45/60 = 8.75時間

速力 = 122.5 ÷ 8.75 = 14ノット

→ 答え:14ノット

「分」を「時間」に変換する(÷60)のを忘れないこと。

 

③ 変緯・変経の計算

出発地と到着地の緯度・経度の差を求める問題、またはその逆。NとSまたぎ、EとWまたぎの処理がポイントです。

 

◆ 基本ルール

変緯(緯差):同じ半球なら引き算、N↔Sまたぎなら足し算
変経(経差):同じ半球なら引き算、E↔Wまたぎなら足し算

方向の表記:北へ移動 → N、南へ移動 → S、東へ移動 → E、西へ移動 → W

 

◆ 例題7:同じ半球内の移動

【R8年2月期 航海 大問4】乙丸は、3°−08'S、176°−30'Eの地点から4°−32'N、175°−55'Wの地点まで航走した。変緯(緯差)と変経(経差)を求めよ。

 

【解き方:変緯】

出発:3°08'S → 到着:4°32'N

S→Nまたぎなので足し算
3°08' + 4°32' = 7°40'

方向:SからNへ移動しているので N

→ 変緯:7°40' N = 460' N

 

【解き方:変経】

出発:176°30'E → 到着:175°55'W

E→Wまたぎなので足し算
176°30' + 175°55' = 352°25'

ここで合計が360°を超えないのでそのまま。ただし合計が180°を超える場合は、360°から引いて反対方向にする

352°25' > 180° なので:
360°00' − 352°25' = 7°35'

方向:経度の合計が180°超なので、E(短い方の経路)

→ 変経:7°35' E = 455' E

 

◆ 例題8:到着地を求める

【R9年5月期 航海 大問4】29°−10'N、178°−35'Wの地点から変緯268'S、変経228'Wとなる地点の緯度、経度を求めよ。

 

【解き方:緯度】

出発:29°10'N、変緯:268'S = 4°28'S

Nから南へ移動:
29°10' − 4°28' = 24°42'N

(まだN側にいるので符号は変わらない)

 

【解き方:経度】

出発:178°35'W、変経:228'W = 3°48'W

Wの方向にさらに西へ移動:
178°35' + 3°48' = 182°23'

180°を超えたので、360°から引いてEに変換
360°00' − 182°23' = 177°37'E

→ 到着地:24°42'N、177°37'E

 

④ 赤道到達時間の計算

南緯の地点から真針路000°(真北)で航走して赤道に到達するまでの時間を求める問題。

 

◆ 基本の考え方

真針路000°(真北)で航走 → 経度は変わらず、緯度だけ変化。
緯度1分 = 1海里なので、出発地の緯度(分単位)÷ 速力 = 所要時間。

 

◆ 例題9

【R6年4月期 航海 大問4】速力14ノットの船が、緯度4°−05'Sの地から真針路000°で航走すると、何時間で赤道に到達することができるか。

 

【解き方】

手順1:出発地から赤道までの距離

4°05'S → 0°(赤道)= 4°05' = 4×60 + 5 = 245海里

手順2:所要時間

245 ÷ 14 = 17.5時間

→ 答え:17時間30分(17.5時間)

 

⑤ 赤道上の東西航走(経度の計算)

赤道上の地点から真針路090°(真東)または000°(真北)で航走した後の到着地を求める複合問題。

 

◆ 例題10

【R5年10月期 航海 大問4】速力13ノットの船が、経度178°Eの赤道上の地点を発し、真針路090°で11時間航走し、それから真針路000°で13時間航走した。到着地の緯度、経度を求めよ。

 

【解き方:第1区間(東へ)】

赤道上を真東に航走 → 緯度は変わらず、経度が変わる。

赤道上では経度1分 = 1海里(赤道上のみ成り立つ関係)

航走距離 = 13ノット × 11時間 = 143海里 = 143'(2°23')東へ

経度 = 178°00'E + 2°23' = 180°23'

180°を超えたので:360° − 180°23' ……ではなく、日付変更線(180°)を超えたのでWに変換
180°23' → 180°00' を超えた分 = 0°23' → 179°37'W

(計算:180°00' − 0°23' ではなく、360° − 180°23' = 179°37' → 179°37'W)

 

【解き方:第2区間(北へ)】

真針路000°で13時間航走 → 経度変わらず、緯度が変わる。

航走距離 = 13ノット × 13時間 = 169海里 = 169' = 2°49'N

緯度 = 0°(赤道)+ 2°49' = 2°49'N

→ 到着地:2°49'N、179°37'W

 

⑥ ワイヤロープの破断力と安全使用力

◆ 公式

破断力(kgf)= 直径(mm)² × 係数

安全使用力 = 破断力 × 1/6

係数はワイヤロープの種類によって異なり、問題文で与えられます。

 

◆ 例題11

【R5年7月期 運用 大問4】直径18mmのワイヤロープ(係数2.0)の安全使用力はいくらか。ただし、安全使用力は破断力の1/6とする。

 

【解き方】

手順1:破断力 = 18² × 2.0 = 324 × 2.0 = 648 kgf

手順2:安全使用力 = 648 × 1/6 = 108 kgf

→ 答え:108 kgf

 

◆ 例題12

【R7年10月期 運用 大問4】直径16mmのナイロンロープ(係数1.0)の安全使用力はいくらか。

 

【解き方】

破断力 = 16² × 1.0 = 256 kgf

安全使用力 = 256 × 1/6 = 42.7 kgf(≒ 約43 kgf)

→ 答え:約43 kgf

 

計算問題のまとめ

  • 自差の計算:E=+、W=−の符号を間違えない。「コンパス方位+自差=磁針方位」を確実に
  • 平均速力:「分」を「時間」に変換(÷60)、日またぎの時間計算に注意
  • 変緯変経:同じ半球→引き算、またぎ→足し算。180°超えたら360°から引いて反転
  • 赤道到達:緯度1分=1海里。赤道上では経度1分=1海里
  • ワイヤロープ:直径²×係数=破断力、破断力×1/6=安全使用力

科目横断の効率的な勉強法

ヒヨコくん
全体的にどう勉強すればいいの?
まず「丸暗記で取れる問題」を完璧にして、その後に海図の練習。この順番が一番効率いい
船員くん

 

ステップ1:定型回答を丸暗記する(全科目共通)

5級の記述問題の多くは、毎回ほぼ同じ回答で対応できるパターン問題です。以下のテーマは回答を丸暗記して、試験本番で「見た瞬間に書ける」状態にしてください。

→ ちちゅう法と順走法の説明(運用)
→ クロス方位法の物標選定注意事項(航海)
→ 航路内投びょう等が認められる場合3つ(法規)
→ 油記録簿の記載者・保存期間・法規名(法規)
→ 安全担当者と衛生担当者の業務の区別(法規)
→ 復原力の減少場面3つ+横揺れの変化(運用)
→ 廃棄物とビルジの定義(法規)

この7テーマだけで、3科目合わせて全体の2〜3割のカバーが可能です。

 

ステップ2:図で覚えるテーマを整理する

→ 灯火・形象物のパターン(法規)→ 過去問の図をコピーして繰り返し見る
→ 灯浮標の配色パターン(航海)→ 色と形で分類して覚える
→ 旋回圏の用語(運用)→ 図を描いて位置関係を理解する

 

ステップ3:海図問題の練習

海図問題(航海 大問2)は暗記では対処できません。試験用海図を入手して、以下の手順を繰り返し練習してください。

→ 重視線からのジャイロ誤差の求め方
→ 海流ベクトルを使った実航磁針路・実速力の作図
→ クロス方位法による船位の決定
→ 出発点・針路・速力・時間から予想位置を求める作図

海図問題は配点が100点あるので、捨てると合格は厳しくなります。最低でも3回分の過去問を実際に海図上で解く練習をしましょう。

 

ステップ4:計算問題の公式を確認

→ 平均速力=距離÷時間
→ 変緯=到着地の緯度−出発地の緯度(NとSまたぎに注意)
→ 変経=到着地の経度−出発地の経度(EとWまたぎに注意)
→ ワイヤロープの破断力略算式=(直径mm)²×8(kgf)÷2(概算)
→ 安全使用力=破断力×1/6

計算問題自体は複雑ではありません。公式を覚えて、日またぎの時間計算や符号処理でミスしないよう練習しておけば確実に得点できます。

 

まとめ

この記事のポイント

  • 5級海技士の筆記試験は航海・運用・法規の3科目。すべて記述式
  • 出題パターンの繰り返しが非常にはっきりしており、頻出テーマを押さえれば効率よく合格点を狙える
  • 航海:自差の計算・音響測深機・クロス方位法の物標選定が超頻出。海図問題は作図練習が必須
  • 運用:ちちゅう法と順走法はほぼ毎回出題。復原力の減少場面・旋回圏用語も鉄板
  • 法規:灯火形象物の図問題・航路内投びょう・油記録簿は丸暗記で対応可能
  • まず「定型回答の丸暗記」で確実に取れる点を固め、次に海図の作図練習に進むのが最効率

 

5級海技士は船員キャリアの第一歩です。出題パターンを把握して効率よく勉強すれば、合格は十分に手の届く目標です。

 

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・船乗りの給料・年収のリアルな実態 → 船乗りの給料事情

 

※この記事は過去問12回分(2023年4月期〜2026年2月期)の分析に基づいて構成しています。出題傾向は変更される場合があります。最新の試験情報は国土交通省・地方運輸局の公式サイトでご確認ください。

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