この記事はこんな方におすすめ
- 「5級海技士の筆記試験、何から勉強すればいいかわからない」
- 「過去問を解いてるけど、どこが頻出なのか整理したい」
- 「限られた勉強時間で効率よく合格点を取りたい」
5級海技士 筆記試験の全体像

















5級海技士の筆記試験は、航海(コ)・運用(ウ)・法規(ホ)の3科目で構成されています。
試験は年3回(4月・7月・10月)+2月に定期試験が実施されます。
試験科目と配点
- 航海(コ):大問4題×100点=400点満点(2時間30分)
- 運用(ウ):大問4題×100点=400点満点(2時間30分)
- 法規(ホ):大問3題×100点=300点満点(2時間)
ちなみに、筆記試験は乗船履歴がなくても受験できます。まだ乗船していない段階でも、先に筆記だけ合格しておくことが可能です。





ただし、筆記に合格しただけでは海技免状は取得できません。免状取得までには、乗船履歴の確認、身体検査、口述試験、必要な講習の受講などが必要です。「まず筆記だけ先に取っておく」のは十分アリな戦略ですが、ゴールは筆記合格の先にあることは頭に入れておきましょう。
受験前に確認する公式情報
- 試験日程・申請締切:地方運輸局の海技試験案内ページで確認
- 申請書・必要書類:国土交通省「海技試験の手続き」ページで配布
- 受験費用の目安:筆記3,500円+口述3,700円+身体検査870円+登録免許税3,000円(五級海技士の場合)
免状を取ることは、船員としてのキャリアアップに直結します。部員と職員では給料に大きな差が出るため、「まず5級を取る」ことが収入を上げる最短ルートです。





この記事では、直近12回分の過去問(2023年4月期〜2026年2月期)を分析し、科目別の頻出テーマと効率的な勉強法をまとめました。
5級は出題パターンの繰り返しが非常にはっきりしています。闇雲に過去問を解くよりも、「何が繰り返し出ているか」を把握してから勉強する方が圧倒的に効率がいいです。
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航海(コ)の頻出テーマと勉強法

















航海は大問4題構成で、それぞれ出題範囲がほぼ固定されています。
大問1:航海計器(磁気コンパス・音響測深機・レーダー等)
大問1は航海計器の知識を問う問題で、12回中ほぼ毎回同じテーマから出題されています。
◆ ほぼ毎回出るテーマ
① 磁気コンパス(毎回出題・12/12回)
問1㈠は毎回磁気コンパスから出題されます。出題パターンは大きく分けて計算型と知識型の2系統があります。
計算型(5/12回)
パターンA:自差曲線から読み取り(3回)
→ 船首方位ごとの自差を曲線から読み取り、コンパス方位を磁針方位に換算する問題。「コンパス針路○○°で航行中、灯台のコンパス方位を○○°に測った。磁針方位は何度か」という形式です。
パターンB:自差表から読み取り(2回)
→ 船首方位と自差の対応表が与えられ、同様の換算を行う問題。「磁針路○○°で航行するにはコンパス針路を何度にすればよいか」という逆方向の問いも出ます。
知識型(7/12回)
真北・磁北・コンパスの北の図示(2回)、部品の役目を答える問題(2回)、自差の正誤判定(1回)、断面図の部品名称(1回)、鉄器類の影響+気泡除去の方法(1回)。
どちらの系統でも、「コンパス方位+自差=磁針方位」の関係を確実に使いこなせることが基本です。自差のE(東偏)は+、W(西偏)は−の符号を間違えないようにしましょう。計算型が出れば即得点、知識型でも部品の役目(コンパス液・磁針・浮室・ジンバル装置)を覚えておけば大半に対応できます。
② 偏差のある海域でコンパス方位=真方位となる船首方位
自差と偏差が打ち消し合う船首方位を選ぶ4択問題。自差曲線や自差表から各船首方位の自差を読み取り、偏差と符号が逆で絶対値が等しくなる方位を選びます。
③ 音響測深機
12回中8回出題。以下の3パターンのどれかが出ます。
「感度(感度調整)を上げすぎると、表示面(記録紙)はどのようになるか」→ 海底以外のノイズや雑信号が記録されて判読しにくくなる
「水深が浅いときに、濃いはっきりした線で2回反射線、3回反射線が現れることがあるが、これは一般にどのような底質の場合か」→ 岩盤など硬い底質の場合
「海面から海底までの水深を測定するために、どのような調整が必要か」→ 吃水の補正(送受波器の深さ分を加える)と音速の補正
大問2:海図(チャートワーク)
試験用海図(No.15またはNo.16)を使った実技的な計算問題。2題または3題構成で、テーマは3種類から出題されます。
㈠ ジャイロ誤差の計算(7/12回)
2つの物標(灯台と山頂など)が一線になったとき(重視線)のジャイロコンパス方位から誤差を求める問題。海図上で2物標を結んだ真方位と、測定したジャイロ方位の差がジャイロ誤差です。
㈡ 実航磁針路・実速力・正横距離・予想位置(毎回出題)
「B丸(速力○○ノット)は、○○灯台から真方位○○°、距離○○海里の地点を発し、磁針路○○°で航行した。この海域には流向○○°(真方位)、流速○○ノットの海流がある」
→ 実航磁針路、実速力、特定灯台の正横距離、特定時刻の予想位置(緯度・経度)を求める。
海図上でのベクトル作図が必要な問題なので、三角定規とディバイダーを使った作図練習を繰り返す以外に対策はありません。
㈢ クロス方位法またはレーダー+方位による船位(10/12回)
2つの物標のジャイロコンパス方位から船位を求めるクロス方位法、またはジャイロ方位+レーダー距離を組み合わせた船位の決定。3題構成の回(5/12回)で出題されます。
海図問題の練習手順
海図問題は暗記では対処できないので、実際に手を動かす練習が必須です。以下の手順で進めてください。
用意するもの
→ 試験用海図(No.15またはNo.16)、三角定規(2枚1組)、ディバイダー、鉛筆(Bまたは2B)、消しゴム
練習の進め方
→ 最初は問題集の解説を見ながら、手順どおりに作図する。道具の扱いに慣れることが最優先
→ 慣れてきたら解説を閉じて、自力で作図→答え合わせ
→ 6回分以上の過去問を実際に海図上で解く。手が勝手に動くレベルまで繰り返すのが目標
筆者が海技士筆記を受けたとき、最初に苦労したのは道具の扱いでした。三角定規とディバイダーの操作がぎこちないうちは、正しい手順を知っていても作図に時間がかかります。最初は問題集を見ながらでいいので、まず「道具を使って線を引く」こと自体に慣れてください。6回分くらい解くと手が覚えてきます。
海図が苦手で心が折れそうになっても、受験自体を諦める必要はありません。大問1(航海計器)と大問3(航路標識)は暗記で確実に取れる範囲なので、そこを固めたうえで海図は部分点を拾いにいく戦略でも合格ラインには届きます。ただし海図は配点100点あるので、完全に捨てるのはリスクが高いです。最低限「ジャイロ誤差」と「クロス方位法」の2題は解けるようにしておきましょう。
大問3:航路標識・潮汐
◆ ほぼ毎回出るテーマ
① 灯浮標の意味(図付き4択)
12回中10回以上出題。灯浮標の図が描かれており、「この灯浮標の意味として正しいものはどれか」を選ぶ問題です。
最も頻出なのは方位標識(黒+黄色の配色)。黒と黄の塗り分け位置と頭標の向きで、北・東・南・西のどちら側に可航水域があるかを判別します。孤立障害標識は黒地に赤横帯・頭標は黒球2個で、方位標識とは配色が異なります。
② クロス方位法の物標選定の注意事項
「沿岸航行中、クロス方位法により船位を求める場合の物標選定上の注意事項を3つ述べよ」
毎回出題(12/12回)の超頻出テーマ。回答は以下を丸暗記してください。
→ できるだけ近距離の物標を選ぶ、方位線の交角が30°〜150°になるよう選ぶ(直角に近いほど良い)、海図上で位置が明確に特定できる物標を選ぶ、物標は2個よりも3個選ぶ方が精度が高い(三角形ができて誤差を確認できる)
③ 潮汐用語の説明
以下の用語から毎回2つ出題されます。すべての定義を暗記しておきましょう。
潮時差、潮高比、最低水面、大潮、小潮、月潮間隔、高潮と高潮(低潮と低潮)の間隔(約12時間25分)
大問4:航海計算・船位測定法
◆ ほぼ毎回出るテーマ
① 平均速力の計算
「甲丸は、○○時にA地点を発し、○○海里離れたB地点に翌日○○時に到着する計画である。何ノットの平均速力で航行すればよいか」
毎回出題。出発〜到着の所要時間(日をまたぐ場合に注意)を計算し、距離÷時間で求めるだけです。
② 変緯・変経の計算
出発地と到着地の緯度・経度から変緯(緯差)と変経(経差)を求める問題、または出発地の緯度・経度に変緯・変経を加えて到着地を求める問題。毎回出題。
NとSをまたぐ場合、EとWをまたぐ場合の符号処理に注意。
運用(ウ)の頻出テーマと勉強法

















大問1:船体構造・部材・整備
◆ ほぼ毎回出るテーマ
① 船体構造の穴埋め問題
「鋼船の船体は、キールに直角な方向に一定間隔にフレームを置き、左右両舷のフレームの上端を【(1)】により連結し、この上に【(2)】が張られる。外板は……上から順次、【(3)】、船側外板、船底外板と呼ばれる。船底外板の湾曲部(ビルジ外板)には、船体の横揺れを軽減するため【(4)】が取り付けられる」
3回出題。この穴埋めの正解パターンは丸暗記してください。
② 船首の形状
「船首の形状にはどのようなものがあるか。2つあげよ」→ 直立型船首、傾斜型船首(クリッパー型)、球状船首(バルバスバウ)から2つ。5回出題。
図付きで4種類の船首形状を示して名称を答える問題も出ます。
③ トン数
排水トン数(排水量)、載貨重量トン数、載貨容積トン数、総トン数の定義がローテーションで出題。ほぼ毎回出題されます。
大問2:安定性・操船
◆ ほぼ毎回出るテーマ
① 復原力の減少場面と横揺れの変化
「航海中に船の復原力が減少するのはどのような場合か。3つあげよ。また、復原力が減少すると船の横揺れはどのように変わるか」
12回中5回出題。頻出テーマです。
→ 減少する場合:自由水の発生(タンク内液面の動揺)、高い位置への荷物の積み替え、重量物の甲板上への積載など。横揺れ:周期が長く、ゆっくりした揺れになる。
② 旋回圏の用語
「次の文にあてはまるものを選べ」という4択問題。旋回横距・最大横距・旋回径・最終旋回径の定義を正確に区別する必要があります。4回出題。
特に紛らわしいのが「旋回横距」と「最大横距」の違い。旋回横距は90°回頭時の原針路からの横偏位、最大横距は180°回頭時の最大横偏位です。
大問3:気象・海象
◆ ほぼ毎回出るテーマ
① 天気図型と日本の天気の特徴
冬型/夏型の名称を問う問題と、天気図の図を読み取って型・季節・高気圧名・風向・天気の違いを答える問題を合わせると6回出題。
冬型=西高東低型 → 日本海側は雪、太平洋側は晴れ、北西の季節風。夏型=南高北低型 → 高温多湿、太平洋高気圧の張り出し。
② 台風の経路3つ
図付きで3つの典型的な台風経路が示され、各経路をとる時期(月頃)、転向点(進行方向が大きく変わるところ)の名称、転向前後の速度変化を問う。3回出題。
→ ①は7〜8月頃の西進型、②は8〜9月頃の放物線型、③は秋の北上型。転向点は「転向点」または「再帰点」。転向前はゆっくり、転向後は速くなる。
大問4:運用・当直・安全
◆ ほぼ毎回出るテーマ
① ちちゅう法と順走法
「洋上を航行中、荒天のため目的港への航走を続けることが困難となった場合、天候が回復するまでの間、船の安全を保つためにはどのような方法をとればよいか。2つの方法をあげ、それぞれについて説明せよ」
12回中7回出題。5級運用の最頻出問題です。
→ ちちゅう法:舵の効く程度に機関を前進微速とし、船首2〜3点から風浪を受けるように操船する方法。
→ 順走法:船尾2〜3点から風浪を受けて、荒天区域から逃れることを順走法という。
この2つの説明は一字一句まで書けるレベルに暗記してください。
法規(ホ)の頻出テーマと勉強法

















法規は大問3題構成で、各大問が異なる法律をカバーしています。
大問1:海上衝突予防法
◆ ほぼ毎回出るテーマ
① 灯火及び形象物の図問題
毎回3パターンの灯火・形象物の図が示され、「それぞれどのような船舶のどのような状態を表すか」を答える問題。12回すべてで出題。
白灯(○)、紅灯(斜線○)、緑灯(×○)、形象物(●)の組み合わせで船の状態を判別します。
よく出るパターン:航行中の動力船(マスト灯+舷灯+船尾灯)、錨泊中の船舶(白灯2個)、運転不自由船(紅灯2個+舷灯+船尾灯)、漁ろうに従事している船舶、引き船(マスト灯2個or3個)など。
灯火の配置パターンは図で覚えるのが一番効率がいいです。過去問の図をコピーして何度も見返しましょう。
② 安全な速力の考慮事項
「レーダーを使用していない船舶が、『安全な速力』を決定するに当たり特に考慮しなければならない事項として、次の(1)及び(2)のほかどのような事項があるか」
(1)と(2)は問題によって変わりますが、回答の選択肢は同じです。4回出題。
→ 視界の状態、船舶交通のふくそうの状況、自船の停止距離・旋回性能その他の操縦性能、自船の喫水と水深との関係、夜間における陸岸の灯火・自船の灯火の背景灯火の存在など。
大問2:海上交通安全法・港則法
大問2は前半が海上交通安全法、後半が港則法の構成です。
◆ 海上交通安全法の頻出テーマ
① 航路の全区間航行義務船舶
「航路の付近にある国土交通省令で定める2地点間を航行しようとするとき、航路の全区間又は一部区間を航行しなければならない船舶」→ 長さ50メートル以上の船舶。2回出題。
② 巨大船との行会い→航路外待機指示の航路名
「巨大船と巨大船以外の船舶が航路内で行き会うことが予想される場合、海上保安庁長官が必要な間航路外で待機すべき旨を指示することができる航路の名称を記せ」
2回出題。答えは伊良湖水道航路(巨大船と長さ130m以上の船舶)、水島航路(巨大船と長さ70m以上の船舶)。なお、視程悪化など別の理由による航路外待機指示の対象航路(浦賀水道・中ノ瀬・来島海峡など)とは別の規定なので混同しないこと。
◆ 港則法の頻出テーマ
① 航路内での投びょう等が認められる場合
「船舶が航路内で投びょうし、又はえい航している船舶を放すことが認められるのは、どのような場合か。3つ述べよ」
12回中4回出題の頻出テーマ。
→ 海難を避けようとするとき、運転の自由を失ったとき、人命又は急迫した危険のある船舶の救助に従事するとき。5級では主にこの3つが問われます(条文上はこのほか港長の許可を受けた工事・作業もあり)。
② 港内の防波堤等付近の航行方法
「船舶が、港内において、防波堤、ふとうその他の工作物の突端又は停泊船舶の付近を航行するときは、どのように航行しなければならないか」→ 右げんに見て航行するときはできるだけこれに近寄り、左げんに見て航行するときはできるだけこれに遠ざかって航行しなければならない。4回出題。
大問3:船員法・船員労働安全衛生規則・海洋汚染防止法
◆ ほぼ毎回出るテーマ
① 油記録簿
12回中7回出題。大問3で最も出るテーマです。出題パターンは以下の3問セットか、正誤問題です。
「油記録簿への記載は、通常、誰が行うか」→ 油濁防止管理者(油濁防止管理者が選任されていない船舶では機関長)
「油記録簿は、いつから、何年間船舶内に保存しておかなければならないか」→ 最後の記載をした日から3年間
「上記の事項を規定している法規名を記せ」→ 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律
② 安全担当者・衛生担当者の業務
安全担当者の業務として正しいもの(または誤っているもの)を4択で選ぶ問題、または衛生担当者の業務を記述する問題。安全担当者・衛生担当者の業務を直接問う問題が7回、安衛則の正誤問題(担当者業務以外も含む)を合わせると10回出題。
安全担当者の業務:作業設備及び作業用具の点検及び整備、消火器具の点検及び整備、発生した災害の原因の調査など
衛生担当者の業務:食料及び用水の衛生保持、医薬品その他の衛生用品の管理、負傷又は疾病が発生した場合の応急措置など
安全担当者と衛生担当者の業務を混同しないように注意。
③ 廃棄物・ビルジの定義
「廃棄物」→ 人が不要とした物(油、有害液体物質等及び有害水バラストを除く)
「ビルジ」→ 船底にたまった油性混合物
4回出題。
次回試験の出題予想【R8年4月期】

















予想の前提
最終更新:2026年3月(R7年10月期・R8年2月期の出題を反映)
この予想は「勉強の優先順位付け」に使うものであって、「ここだけやればいい」という意味ではありません。予想に挙がっていないテーマも、上の頻出テーマ分析で「ほぼ毎回出る」に分類されているものは必ず準備してください。予想パートだけ読んで範囲を絞りすぎると、逆に取りこぼしが増えます。
航海(コ)の出題予想
直近2回(R7年10月期・R8年2月期)で出題されたテーマを除外し、次回に出る可能性が高いテーマを挙げます。
大問1(航海計器)
直近2回では自差曲線の読み取り、電磁ログ、ノンフォローアップ操舵、GNSS情報、AIS(正誤問題)が出題されました。
次回の予想:
→ 液体式磁気コンパスの各部品の役目(自差表ではなく構造・役目を問うパターン)。前回は自差曲線の計算だったので、次は構造問題の番
→ レーダーの映像鮮明化調整4つ。直近2回で出ていない
→ 音響測深機の水深調整方法。前回は感度+多重反射だったので、残りの「調整」パターンが来る可能性大
→ 自動操舵から手動操舵への切換場面3つ。前回のノンフォローアップとは別パターン
大問2(海図)
海図問題は毎回同じ構成(ジャイロ誤差+実航磁針路+船位決定)なので、予想の意味は薄いです。ただし、使用する海図番号(No.15 or No.16)と物標名は回ごとに変わります。
大問3(航路標識・潮汐)
→ 灯浮標の意味は毎回出るので確実に出る。直近2回は孤立障害物標識と方位標識が出たので、次は側面標識(左舷・右舷)や安全水域標識の可能性
→ レーダー反射器とは何か。直近2回で出ていない
→ 潮時差・潮高比の説明。直近は最低水面・小潮・大潮が出たので、残りの用語が来る
→ 潮高の具体的な計算問題。直近2回で出ていない
大問4(航海計算・船位測定)
→ 平均速力と変緯変経は毎回出る
→ ランニングフィックス(方位線の転位による船位測定法)の説明と注意事項。直近2回で出ていない
→ 狭水道の通航時機2つ。前回出ていない
→ 海図上で2地点間の距離を測る場合、中間における緯度尺を用いる理由
運用(ウ)の出題予想
大問1(船体構造)
直近2回は船首形状の図問題+部材名称+チェーンロッカー+塗装作業が出ました。
→ 船体構造の穴埋め問題(キール→フレーム→ビーム→外板→ビルジキール)。前回は図問題だったので穴埋めの番
→ 船体断面図の部材名称(ア〜カ)。2回連続で出ない傾向なのでそろそろ来る
→ フレーム番号の基準と付け方
→ 船底塗料の種類2つ
大問2(安定性・操船)
→ 復原力の減少場面3つ+横揺れの変化は超頻出。直近でも出たが、再出題の可能性は常にある
→ 最短停止距離(定義・操船上の利用・影響要因)。直近2回で出ていない
→ 浅水影響の正誤問題。しばらく出ていない
大問3(気象・海象)
→ 温暖前線と寒冷前線の通過時の特徴(雨の降り方・風向変化)。直近2回で出ていない
→ 天気記号(日本式)。しばらく出ていない
→ 台風の来襲前兆5つ。直近で台風経路は出たが、前兆は出ていない
→ アネロイド気圧計の読み方注意2つ
大問4(運用・当直・安全)
→ ちちゅう法・順走法は毎回出ると思って準備。ただし直近2回で「ちちゅう法とは何か」「(1)ちちゅう法 (2)順走法の説明」と微妙に問い方が変わるので、両方のパターンで書けるように
→ 転落者への対応(プロペラ負傷防止+見失い防止)。直近で出ていない
→ 船内火災の発生防止+拡大防止。しばらく出ていない
→ 衝突時の措置4つ
法規(ホ)の出題予想
大問1(海上衝突予防法)
→ 灯火・形象物の図問題は確実に出る
→ 横切り船の航法(避航船・保持船の段階的義務)。直近2回は追越し船と視界制限が出たので、横切りの番
→ 衝突回避動作の要件(十分に余裕ある時期に・大幅に)
→ 行会い船の航法
大問2(海上交通安全法・港則法)
→ 備讃瀬戸東航路の航法。直近で出ていない
→ 航路の速力制限(12ノット制限の対象:浦賀水道・中ノ瀬・伊良湖水道・水島の全区間、備讃瀬戸東・北・南の指定区間)
→ 危険物積載船の入港手続。しばらく出ていない
→ 港則法の航路内投びょう等が認められる場合3つは頻出で、直近でも出たが再出題の可能性あり
→ 追越し信号(特定港内)
大問3(船員法等)
→ 油記録簿は高確率で出る。直近で正誤問題パターンが出たので、次は記述3問セットの可能性
→ 舷外作業の安全確保。直近で出ていない
→ 海難報告に提示する書類。しばらく出ていない
→ 安全担当者の業務(正誤問題)
計算問題の解き方【過去問で実践】

















① 自差の計算(磁気コンパス)
5級航海で最も出る計算問題です。コンパス方位・磁針方位・真方位の関係を正確に理解してください。
◆ 基本の関係式
コンパス方位(C)+ 自差(Dev)= 磁針方位(M)
磁針方位(M)+ 偏差(Var)= 真方位(T)
自差・偏差の符号:E(東偏)は+、W(西偏)は−
◆ 例題1:自差表からの換算
【R8年2月期 航海 大問1】下表は甲丸の磁気コンパスの自差表である。
船首方位:000° → 自差 2°E / 045° → 5°E / 090° → 6°E / 135° → 3°E / 180° → 1°W / 225° → 4°W / 270° → 7°W / 315° → 4°W
(1) 甲丸はコンパス針路270°で航行中、灯台のコンパス方位を302°に測った。この灯台の磁針方位は何度か。
【解き方】
手順1:船首方位270°のときの自差を表から読む → 自差 7°W = −7°
手順2:コンパス方位に自差を加える
磁針方位 = コンパス方位 + 自差
= 302° +(−7°)
= 295°
→ 答え:磁針方位 295°
② 平均速力の計算
毎回出題される基本計算。ポイントは日をまたぐ場合の所要時間の計算です。
◆ 基本公式
速力(ノット)= 距離(海里)÷ 時間(時間)
◆ 例題5
【R6年10月期 航海 大問4】C丸は、1645に甲地点を発し、308海里離れた乙地点に翌日の1200に到着する計画である。何ノットの平均速力で航行すればよいか。
【解き方】
手順1:所要時間を求める
1645 → 翌日1200
当日の残り時間:2400 − 1645 = 7時間15分
翌日の時間:1200 = 12時間00分
合計:7時間15分 + 12時間00分 = 19時間15分 = 19.25時間
手順2:速力 = 308 ÷ 19.25 = 16ノット
→ 答え:16ノット
③ 変緯・変経の計算
出発地と到着地の緯度・経度の差を求める問題、またはその逆。NとSまたぎ、EとWまたぎの処理がポイントです。
◆ 基本ルール
変緯(緯差):同じ半球なら引き算、N↔Sまたぎなら足し算
変経(経差):同じ半球なら引き算、E↔Wまたぎなら足し算
方向の表記:北へ移動 → N、南へ移動 → S、東へ移動 → E、西へ移動 → W
◆ 例題7:N↔Sまたぎ+E↔Wまたぎ
【R8年2月期 航海 大問4】乙丸は、3°−08'S、176°−30'Eの地点から4°−32'N、175°−55'Wの地点まで航走した。変緯(緯差)と変経(経差)を求めよ。
【解き方:変緯】
出発:3°08'S → 到着:4°32'N
S→Nまたぎなので足し算:
3°08' + 4°32' = 7°40'
方向:SからNへ移動しているので N
→ 変緯:7°40' N = 460' N
【解き方:変経】
出発:176°30'E → 到着:175°55'W
E→Wまたぎなので足し算:
176°30' + 175°55' = 352°25'
ここで合計が360°を超えないのでそのまま。ただし合計が180°を超える場合は、360°から引いて反対方向にする。
352°25' > 180° なので:
360°00' − 352°25' = 7°35'
方向:経度の合計が180°超なので、E(短い方の経路)
→ 変経:7°35' E = 455' E
④ 赤道到達時間の計算
南緯の地点から真針路000°(真北)で航走して赤道に到達するまでの時間を求める問題。
◆ 基本の考え方
真針路000°(真北)で航走 → 経度は変わらず、緯度だけ変化。
緯度1分 = 1海里なので、出発地の緯度(分単位)÷ 速力 = 所要時間。
◆ 例題9
【R6年4月期 航海 大問4】速力14ノットの船が、緯度4°−05'Sの地から真針路000°で航走すると、何時間で赤道に到達することができるか。
【解き方】
手順1:出発地から赤道までの距離
4°05'S → 0°(赤道)= 4°05' = 4×60 + 5 = 245海里
手順2:所要時間
245 ÷ 14 = 17.5時間
→ 答え:17時間30分(17.5時間)
⑤ 赤道上の東西航走(経度の計算)
赤道上の地点から真針路090°(真東)または000°(真北)で航走した後の到着地を求める複合問題。
◆ 例題10
【R5年10月期 航海 大問4】速力13ノットの船が、経度178°Eの赤道上の地点を発し、真針路090°で11時間航走し、それから真針路000°で13時間航走した。到着地の緯度、経度を求めよ。
【解き方:第1区間(東へ)】
赤道上を真東に航走 → 緯度は変わらず、経度が変わる。
赤道上では経度1分 = 1海里(赤道上のみ成り立つ関係)
航走距離 = 13ノット × 11時間 = 143海里 = 143'(2°23')東へ
経度 = 178°00'E + 2°23' = 180°23'
180°を超えたので:日付変更線(180°)を超えた分をWに変換:
180°23' − 180°00' = 0°23' → 179°37'W
(計算:180° − 0°23' = 179°37'W)
【解き方:第2区間(北へ)】
真針路000°で13時間航走 → 経度変わらず、緯度が変わる。
航走距離 = 13ノット × 13時間 = 169海里 = 169' = 2°49'N
緯度 = 0°(赤道)+ 2°49' = 2°49'N
→ 到着地:2°49'N、179°37'W
⑥ ワイヤロープの破断力と安全使用力
◆ 公式
破断力(kgf)= 直径(mm)² × 係数
安全使用力 = 破断力 × 1/6
係数はワイヤロープの種類によって異なり、問題文で与えられます。
◆ 例題11
【R5年7月期 運用 大問4】直径18mmのワイヤロープ(係数2.0)の安全使用力はいくらか。ただし、安全使用力は破断力の1/6とする。
【解き方】
手順1:破断力 = 18² × 2.0 = 324 × 2.0 = 648 kgf
手順2:安全使用力 = 648 × 1/6 = 108 kgf
→ 答え:108 kgf
計算問題のまとめ
- 自差の計算:E=+、W=−の符号を間違えない。「コンパス方位+自差=磁針方位」を確実に
- 平均速力:「分」を「時間」に変換(÷60)、日またぎの時間計算に注意
- 変緯変経:同じ半球→引き算、またぎ→足し算。180°超えたら360°から引いて反転
- 赤道到達:緯度1分=1海里。赤道上では経度1分=1海里
- ワイヤロープ:直径²×係数=破断力、破断力×1/6=安全使用力
科目横断の効率的な勉強法

















5級筆記は、全範囲を均等にやるより「確実に取る問題」を先に決める方が合格に近づきます。科目ごとのポイントは以下のとおりです。
→ 航海:海図が不安でも、大問1(航海計器)と大問3(航路標識)は暗記で取れる。ここを固めてから海図に時間を使う
→ 運用:ちちゅう法・順走法、復原力、旋回圏を落とさないことが最優先。この3テーマだけで大問2・4の相当部分をカバーできる
→ 法規:灯火・形象物の図問題、航路内投びょう、油記録簿は出題パターンが固く、丸暗記で確実に点を積める科目
ステップ1:定型回答を丸暗記する(全科目共通)
5級の記述問題の多くは、毎回ほぼ同じ回答で対応できるパターン問題です。以下のテーマは回答を丸暗記して、試験本番で「見た瞬間に書ける」状態にしてください。
→ ちちゅう法と順走法の説明(運用)
→ クロス方位法の物標選定注意事項(航海)
→ 航路内投びょう等が認められる場合3つ(法規)
→ 油記録簿の記載者・保存期間・法規名(法規)
→ 安全担当者と衛生担当者の業務の区別(法規)
→ 復原力の減少場面3つ+横揺れの変化(運用)
→ 廃棄物とビルジの定義(法規)
この7テーマだけで、3科目合わせて全体の2〜3割のカバーが可能です。
ステップ1.5:記述式答案の「書き方」を固める
5級の筆記は全科目が記述式ですが、長文を書く試験ではありません。参考書の模範解答をそのまま暗記して書ければ一番確実ですが、一字一句同じでなくても、要点が入っていれば点はもらえます。
得点しやすい書き方のコツ
→ 「3つあげよ」なら①②③と番号で分けて書く。1文に詰め込むより、採点者が数えやすい形の方が安全
→ 定義を問われたら、核となるキーワードを最初の1文に入れる
→ 知らない問題が出ても、関連知識で部分点を狙う。白紙で出すのが一番もったいない
筆者が海技士筆記を受けたとき、模範解答を丸暗記するよりも「参考書の答えを何度も書いて覚える」方が結局は早かったです。最終的には問題を見た瞬間に答えが浮かぶ状態になれば、本番で迷うことはありません。
◆ 答案の実物イメージ|このくらい書ければ十分
たとえば「クロス方位法の物標選定上の注意事項を3つ述べよ」という問題なら、次のように書ければ十分です。
① できるだけ近距離の物標を選ぶ。
② 方位線の交角が30°〜150°となるように選ぶ。直角に近いほどよい。
③ 海図上で位置が明確に分かる物標を選ぶ。
番号を振って、1項目を1文で切るだけで読みやすくなります。逆に、3つの要素を1文にまとめると、自分では書いたつもりでも採点上は数えにくくなります。記述式は長く書く試験ではなく、必要な要点を数えやすい形で落とす試験です。
ステップ2:図で覚えるテーマを整理する
→ 灯火・形象物のパターン(法規)→ 過去問の図をコピーして繰り返し見る
→ 灯浮標の配色パターン(航海)→ 色と形で分類して覚える
→ 旋回圏の用語(運用)→ 図を描いて位置関係を理解する
ステップ3:海図問題の練習
海図問題(航海 大問2)は暗記では対処できません。試験用海図を入手して、以下の手順を繰り返し練習してください。
→ 重視線からのジャイロ誤差の求め方
→ 海流ベクトルを使った実航磁針路・実速力の作図
→ クロス方位法による船位の決定
→ 出発点・針路・速力・時間から予想位置を求める作図
海図問題は配点が100点あるので、捨てると合格は厳しくなります。最低でも3回分の過去問を実際に海図上で解く練習をしましょう。
ステップ4:計算問題の公式を確認
→ 平均速力=距離÷時間
→ 変緯=到着地の緯度−出発地の緯度(NとSまたぎに注意)
→ 変経=到着地の経度−出発地の経度(EとWまたぎに注意)
→ ワイヤロープの破断力略算式=(直径mm)²×係数
→ 安全使用力=破断力×1/6
計算問題自体は複雑ではありません。公式を覚えて、日またぎの時間計算や符号処理でミスしないよう練習しておけば確実に得点できます。
ステップ5:勉強スケジュールの目安
5級は出題パターンの繰り返しがはっきりしているため、短期集中で仕上げることが可能です。
目安は2〜4週間。過去問3年分を2周できれば合格ラインに届きます。
◆ 2週間で仕上げる場合(1日3〜4時間確保できる人向け)
→ 1〜4日目:ステップ1の定型回答を丸暗記。ちちゅう法・順走法、油記録簿、クロス方位法の物標選定など、毎回出るテーマを完璧にする
→ 5〜7日目:ステップ2の図で覚えるテーマ。灯火・形象物、灯浮標、旋回圏を図ごと覚える
→ 8〜11日目:海図問題と計算問題に集中。試験用海図で過去問を6回分以上作図する
→ 12〜14日目:過去問を本番のつもりで通しで解く。書けなかった回答だけを重点的に潰す
◆ 1か月で仕上げる場合(乗船中で勉強時間が限られる人向け)
→ 1週目:定型回答の暗記(ワッチの合間に参考書を読む)
→ 2週目:図で覚えるテーマ+計算問題の公式確認
→ 3週目:海図問題の作図練習(陸に上がれる期間に集中してやる)
→ 4週目:過去問の通し演習+弱点の潰し込み
筆者が海技士筆記を受けたときは、乗船中と休暇中の両方を使って約2週間・1日4時間ペースで仕上げました。過去問3年分を2周したあたりで、問題を見た瞬間に答えが出てくる状態になります。そこまで行けば本番で焦ることはありません。
海技試験は年4回(4月・7月・10月・2月)実施されます。受験時期を選べるなら、以下の傾向も参考にしてください。










明確な根拠があるわけではありませんが、4月・7月は現役船員の受験が多く、10月・2月は学校卒業組が多い傾向があると言われています。
試験当日の過ごし方
当日の持ち物チェックリスト
- 受験票(忘れたらめんどくさい)
- 筆記用具(鉛筆・シャープペン・消しゴム)
- 海図用具(三角定規2枚・ディバイダー・鉛筆B or 2B)
- 時計(会場に時計がない場合あり)
- 暗記用ノート(休憩時間の見返し用)
会場には30分前には着いておきましょう。早く着いても損はありません。
休憩時間に見返すのは、暗記系の問題(定型回答・灯火パターン・用語定義)に絞るのが鉄則です。海図や計算は休憩中にやっても焦るだけなので、ここまでの練習を信じてください。
◆ よくある失点パターン
→ 自差計算のE/W符号の逆転(最多のケアレスミス)
→ 平均速力の日またぎ時間計算ミス
→ 変緯変経のN↔S、E↔Wまたぎで足し算と引き算を間違える
→ 「3つあげよ」に2つしか書かない(設問数の書き漏れ)
→ 海図の作図で線を間違えたまま進む(消して引き直す勇気)
本番で落ちる人は、知らない問題より知っている問題の取りこぼしが原因です。上のリストを試験直前にもう一度見返してください。
まとめ
この記事のポイント
- 5級海技士の筆記試験は航海・運用・法規の3科目。すべて記述式
- 出題パターンの繰り返しが非常にはっきりしており、頻出テーマを押さえれば効率よく合格点を狙える
- 航海:自差の計算・音響測深機・クロス方位法の物標選定が超頻出。海図問題は作図練習が必須
- 運用:ちちゅう法と順走法はほぼ毎回出題。復原力の減少場面・旋回圏用語も鉄板
- 法規:灯火形象物の図問題・航路内投びょう・油記録簿は丸暗記で対応可能
- まず「定型回答の丸暗記」で確実に取れる点を固め、次に海図の作図練習に進むのが最効率
5級海技士は船員キャリアの第一歩です。出題パターンを把握して効率よく勉強すれば、合格は十分に手の届く目標です。
5級を取った後は、4級または3級へのステップアップが視野に入ります。どちらを目指すかで勉強の方向性が変わるので、先に違いを把握しておくのがおすすめです。
4級へのステップアップを考えている方には、4級筆記の過去問分析をまとめたnote記事もあります。
→ 4級海技士(航海)筆記試験|過去12回分析・天測全12問解答・スマホ暗記アプリ付き
筆記に合格したら、次に待っているのは口述試験です。4級の口述は合格率約32%と意外に厳しく、「何を聞かれるか分からない」不安が最大の壁になります。
※この記事は過去問12回分(2023年4月期〜2026年2月期)の分析に基づいて構成しています。出題傾向は変更される場合があります。最新の試験情報は国土交通省・地方運輸局の公式サイトでご確認ください。



