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船の人間関係・パワハラ対処法|無視・暴力・いじめの乗り越え方

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こんにちは。船員くんです。(@tankerkun)
船員くん
ヒヨコくん
船の仕事自体は好きなんだけど、人間関係がきつすぎて辞めたくなってる…。無視されたり、暴力振るわれたり、こんなの普通なの?
正直に言うと、船の人間関係は陸の仕事より厳しいことが多い。

今回は掲示板に寄せられたリアルな声を紹介しつつ、3社を経験した僕自身の対処法や判断基準も正直に書いていきます。

船員くん

この記事で分かること

  • 「船の人間関係が厳しい構造的な理由」
  • 「無視・挨拶を返さない上司への対処法」
  • 「暴力・パワハラに遭ったときの具体的な行動」
  • 「被害直後の初動フロー・証拠の残し方」
  • 「孤立・仲間外れを乗り越える考え方」
  • 「人間関係で辞めるべきか続けるべきかの判断基準」
  • 「退職の伝え方とベストなタイミング」

※この記事の内容は現役・元船員の口コミをもとにした参考情報です。同じ船種・同じ会社でも船によって実態は大きく異なります。

 

 

なぜ船の人間関係は厳しいのか

「船の人間関係がきつい」と聞いたことがある方は多いと思います。実際、船員が辞める最大の理由は人間関係だと言って間違いありません。

なぜ陸の職場よりきついのか。理由は構造的なもので、大きく4つあります。

①逃げ場がない。陸の仕事なら退勤すれば嫌な上司と離れられます。船は24時間365日、同じ空間で寝食を共にします。ワッチが終わっても、食堂で顔を合わせ、風呂で隣になる。物理的に距離が取れません。

②少人数で関係が煮詰まる。大型船でも12人、小型船なら5人以下。一人でも合わない人がいると、その影響が全体に波及します。陸なら部署異動で解決できますが、船では「次の休暇まで耐える」しかありません。

③業界の体質が残っている。かつては誰でも入れる業界で、荒っぽい人間が多かった時代がありました。その世代が上に立ち、下を厳しく扱い、耐えた人間だけが残る。残った人間がまた下を…という連鎖が今も続いています。

船業界の人間関係がブラックになりがちなのは、大昔は誰でも入れて刺青入りだのヤバイ奴率が元々高かった。以降も比較的やんちゃな奴が多目に入る。上のヤバイ上司が下を苛め抜く。生き残るのは自己中心的な嫌な人間。煮詰まって性格の悪い人間率が上がる。生き残った嫌な人間が新人に嫌がらせ。年々ひ弱になっていく若手が逃げ出す。このやばい連鎖のループなんとかならないのか

 

船乗ってると性格悪くなるというより、もとから性格悪い人のが長く生き残れるだけな気がするけどな

 

それは言えてる。優しい人や他人に気を使うタイプは生き残れない。他人のことなど屁とも思わないタイプばかり生き残る。

 

④「教え方」が共有されていない。船の仕事は基本的にOJTで、教育マニュアルのようなものは存在しないことがほとんどです。教える側も「自分が教わったやり方」でしか教えられないので、指導がどうしても属人的になります。

その結果、厄介なダブルバインドが生まれます。「指示待ち人間だ」と批判しておきながら、自分で判断して動くと「勝手なことをするな」と怒る。新人はどう動いても怒られるので、萎縮して余計に動けなくなる──この悪循環は、掲示板でも繰り返し指摘されています。

指示待ち人間と批判する奴に限って勝手にやると怒るダブルバインド

 

今の会社入れ替わりが激しすぎる。教えても教えても辞める

 

1人でも優しい人居ればそうそう辞めないんだよなぁ

 

舐められる舐められないとか中学生かよ。何もかも教える(自分のやり方を押しつける)必要はない

 

「教えても辞める」と嘆く方は多いですが、辞める側には辞める側の理由があります。「1人でも優しい人がいれば辞めない」という声が示しているのは、教える技術よりも「人として普通に接すること」のほうが定着率に直結するということです。

 

僕自身、1社目では忙しすぎて人間関係を気にする余裕すらありませんでしたが、それでもきつかった。2社目は人間関係のクセが強く、3社目に来てようやく「普通」の環境に巡り合えました。

3社を経験して分かったのは、「船の人間関係がきつい」のではなく「人間関係がきつい船が多い」ということ。良い船も確実に存在します。だから「船=人間関係が最悪」と決めつけて業界を去る前に、まず船を変えることを検討してほしいと思います。

 

人間関係の問題は船の構造上ある程度は避けられない。でも「全部の船がそうだ」と思い込むのは早い。会社を変えるだけで世界が変わることもあります。
船員くん

 

無視される・挨拶を返されない

暴力ほど分かりやすくないですが、じわじわとメンタルを削られるのが「無視」です。挨拶を返さない、名前で呼ばない、自分だけ会話に入れてもらえない。船では陸よりこの手の冷遇が起きやすいのが現実です。

ヒヨコくん
絶賛無視され中。いくら嫌いでも挨拶したら返せよな。人としてくだらねーわ
俺もほぼ無視されてる。つらいな。頑張ろうな。

 

挨拶できんヤツは社会人として終わってる。

 

船は人間関係の良いところに乗りたいな。だけど外からじゃそこまでわからないから難しい。船を辞める人のほとんどの動機は人間関係が大きいんじゃないかな

 

無視してくる相手に対して「なんで?」と悩んでも答えは出ません。相手を変えることはほぼ不可能なので、自分の側でできることに集中するのが現実的です。

僕が実践していた対処法は3つあります。

① 挨拶は続ける。返ってこなくても自分からは絶対にやめない。これは自分のためです。周囲は「あいつは挨拶しない側じゃない」と見ています。

② 仕事の質問は普通にする。口コミにもあるように、無視する相手でも「聞いたことには答えてくれる」ケースは多いです。業務上のコミュニケーションは切らないようにしましょう。

③ メンツが変わるまで待つ。船の最大の救いは、いずれメンバーが入れ替わること。陸の中小企業で嫌な上司がいるとどちらかが辞めるまで変わりませんが、船なら休暇のタイミングで人が替わります。

ポジティブに考えれば、船は長くても1年も経たずにメンバー入れ替わるから良い。陸の中小企業で嫌な上司がいるとかどっちかが辞めるまでずっと不変だからね

 

無視は地味にきついけど、挨拶を続ける自分を守ることが一番大事。メンツが替われば状況は変わります。
船員くん

 

暴力・パワハラに遭ったらどうする

無視や冷遇と違い、暴力は一線を越えた問題です。「昔は殴られて覚えた」という時代は終わっています。手や棒で叩く、蹴る、物を投げつける――これらは全て傷害罪に該当します。

ただ、暴力だけがパワハラではありません。厚労省はパワハラの代表例として6つの類型を示しています。身体的攻撃(殴る・蹴る)、精神的攻撃(人格否定・暴言)、人間関係からの切り離し(無視・孤立させる)、過大な要求(明らかに無理な業務を押しつける)、過小な要求(仕事を与えない)、個の侵害(プライベートに過度に立ち入る)の6つです。

「船では普通」「自分が弱いだけ」と思い込む前に、上の6つに当てはまっていないか確認してください。当てはまるなら、それは指導ではなくパワハラです。

ヒヨコくん
みなさんの船でも暴力って蔓延してますか?手や棒で頭を叩く人が数人います…
今時無いでしょ。あんまりひどいようだと通報するといいよ。普通に傷害罪だ

 

そんな会社辞めろ。どうせそういうのしか集まらないから

 

暴力だけは絶対に我慢する必要がないわ。保安庁に通報して辞めてしまえ

 

入って2週間。人格否定(障◯者とか生きてる価値ない)、殴られる、ミスをしたからお金を払え等を機関長から。機関室に入るのすら怖い

 

学校卒業して最初の会社がそんな感じで半年も持たずに辞めた。辞めるときにそんなんじゃ他でもやっていけないぞって言われたけど転職して23年続いてるから気にしなくていい

 

口コミの通り、暴力がある船は「その船だけがおかしい」のであって、業界全体の話ではありません。最初の船でこれに当たると「船ってこういうものなのか」と思い込んでしまいますが、それは違います。

被害直後の動き方

暴力やパワハラに遭ったとき、パニックになって当然です。でも、船の中だからこそ「我慢してあとで考える」より「動けるうちに動く」が正解です。

やるべきことは順番に5つあります。

① まず安全を確保する。身の危険があるなら、その場から離れてください。船内で完全に離れるのは難しくても、居室に戻る、他の乗組員がいる場所に移動する、それだけでも違います。

② 5W1Hで記録を残す。いつ、どこで、誰に、何をされたか。できれば「その時ほかに誰がいたか」「ケガや業務への支障が出たか」まで記録します。スマホのメモアプリで十分です。重要なのは、被害の直後に書くこと。時間が経つと細部が曖昧になります。

③ 録音・写真・スクショを残す。暴言なら録音、ケガなら写真、LINEやSMSでの暴言はスクショ。第三者に見せて説明できる形にしておきましょう。

④ ケガがあれば受診して診断書をもらう。「この程度で病院は大げさかも」と思うかもしれませんが、診断書は相談・退職交渉・法的対応のどの場面でも効きます。不眠、動悸、食欲不振が続いている場合も、心療内科の受診を検討してください。

⑤ 相談する。まずは社内で言えるなら船長や会社の窓口に、事実ベースで報告します。社内で握りつぶされそうなら、後述する外部の相談先に早めに連絡してください。

僕自身、あまりにも理不尽なことに対しては反論していましたが、大事だったのは「感情ではなく事実で伝える」ことでした。おかしいと思った時点からスマホのメモに記録を残すようにして、まず船長に相談しました。「限界まで耐えてから」ではなく、「証拠が残っているうちに動く」のが鉄則です。

118番・運輸局・総合労働相談コーナーの使い分け

連絡先は一つではありません。状況に応じて使い分ける必要があります。

相談先の使い分け

今すぐ身の危険がある → 118番(海上保安庁)
殴られた、脅されている、海上で逃げ場がないなど緊急性がある場合。通報時は「いつ・どこで・何があったか」を落ち着いて伝えてください。

継続的なハラスメント・賃金・休日・解雇の問題 → 運輸局の船員労働相談窓口
船員のハラスメントや労務問題を専門に扱う窓口です。船員は労働基準法ではなく船員法の管轄なので、一般の労基署ではなく運輸局に相談するのが正解です。

一般的な労働問題として整理したい → 厚労省の総合労働相談コーナー
無料で相談でき、パワハラの一般的な判断基準や対処法について助言がもらえます。

迷ったら基準はシンプルです。今すぐ危険なら118番、継続的な問題なら運輸局。この切り分けがあるだけで、かなり動きやすくなります。

ただし、会社自体が加害者側というケースもあります。船主が船長として乗船しているような船では、「会社に相談する」こと自体が意味をなしません。

うちは船長が殴る蹴るで。仕事云々よりも船内の雰囲気が嫌になりました。休暇も二月以降全然来ないし

 

降ろしてくれないから辞められないです

 

船主に電話して降ろさないなら保安庁に電話するって言ってみたら?→言ったんですが、お前のやったことはチクリだと非難されました

 

こういう船では、会社を飛ばして直接海上保安庁や運輸局に連絡してください。「チクリだ」と言われても気にする必要はありません。自分の身を守る行動です。

証拠の残し方

「証拠を残せ」とは言われても、何をどう残せばいいか分からないという方も多いと思います。基本は以下の3点セットです。

録音、写真、診断書。この3つを揃えておけば、いざという時に自分を守れます。

具体的には、暴言は録音(スマホの録音アプリを常にすぐ起動できる状態にしておく)、ケガや破損物は写真、身体に被害があれば病院の診断書。加えて、毎回のメモ(日時・場所・相手・具体的な言動・目撃者の有無)を続けてください。

実際に訴訟まで進んだ船員の声を見てみましょう。

度が過ぎたパワハラには録音しときな。場合によっては声紋の鑑定までやってくれるみたい。警察親身に話聞いてくれて被害届受理してくれたよ

 

スパイキの刺し傷とか打撲痕は写真撮って診断書も取っといてある。船の中でタバコ吸うのはそいつしかいない。よくわからない怒鳴り散らしに関しては録音もとってる

 

馴染みの弁護士に休職したこと言ったら理由聞かれて持ってる証拠全部見せたら「こんだけあれば余裕で勝てる」ってお墨付きをもらったから訴訟することにした

 

「証拠がある」と分かっているだけで、精神的にもかなり楽になります。船内の閉鎖環境では後から証言を集めるのが難しいので、その場で残すことが重要です。

会社に相談するときは「感情」より「事実」で伝える

会社や船主に相談するとき、「もう無理です」「最悪です」だけだと動いてもらいにくいのが現実です。相談を「対応依頼」に変えるためのコツがあります。

伝える順番は、日時 → 場所 → 相手 → 具体的な言動 → 証拠の有無 → 自分の要望です。

たとえばこんな形です。

「○月○日○時ごろ、船橋で○○さんから『○○』と言われました。録音があります。以後、業務上必要な連絡も外される状態が続いています。事実確認と、接触の調整または配置の見直しをお願いします。」

ここまで具体化すると、相談ではなく「対応依頼」になります。

なお、会社側にはハラスメント相談を受けた場合の事実確認、被害者への配慮、再発防止が求められています。さらに、相談したこと自体を理由に不利益な取り扱いをすることは法律上禁止されています。「チクリだと思われるかも」と黙るより、記録を持って冷静に出すほうが正解です。

会社に残りたいなら上司を相手取って裁判かね。いまそういう訴え多いから簡単に勝てる。怪我するほどなら迷わず通報で

 

「辞めたら次がない」と思うかもしれませんが、船員は慢性的な人手不足です。暴力のある船を辞めても、次の船は必ず見つかります。23年続いている先輩の口コミが何よりの証拠です。

 

暴力は「船の文化」じゃなくて犯罪。我慢する必要はゼロ。記録を残して、会社に事実で伝えて、ダメなら辞める。それでいいです。
船員くん

 

孤立・仲間外れの乗り越え方

暴力や無視とは少し違いますが、「なんとなく輪に入れない」「自分だけ会話に混ぜてもらえない」という孤立感も、閉鎖空間の船ではかなりこたえます。

ヒヨコくん
他の船員の輪に入れないで仲間はずれに近い。疎外感を持ってます。乗ってるメンツに話し相手がいないんですよ
あるあるの話だな。休暇で面子が変わって環境も変化あるからそう悲観的になるな。

 

別にムリに話さなければいい。挨拶だけはしといたほうが良いけど。

 

むしろ仲間はずれにされたい。上司の酒に頻繁に付き合わされるとか最悪だわ

 

話したければこっちから話しかければいいだろ

 

口コミを見ると面白いのが、「孤立が辛い」という人と「一人が快適」という人がきれいに分かれるところです。これは性格の問題なので、どちらが正しいということではありません。

ただ、辛いと感じている方に向けて言えることがあります。

① 挨拶と仕事の報連相さえできていれば、業務上の問題はありません。雑談に入れないのは辛いですが、仕事が回っていれば評価は下がりません。

② 「話しかけてもらえない」なら自分から行く。待っていても状況は変わりません。買い物に声をかけてもらえないなら、「自分も行っていいですか」と聞く。それだけで変わることもあります。

③ 仮バース時間を自分の時間に使う。孤立を「自由」と読み替えてみてください。勉強、運動、趣味に没頭すれば、人間関係のストレスは薄まります。僕自身、気まずい時期には本を読んだり、AIに相談したりして、意識的に船内の人間関係から距離を取る時間を作っていました。

俺は最低限以外気を使うの辞めたもん。文句言う人は何をやったって言うし、狭い船の中で噂されてもしゃーないしほっとくようにしたさ。

 

僕も1社目では年齢的に中途半端な立場で、最初は輪に入れませんでした。でも仕事を覚えて一人前になっていくうちに、自然と会話が増えました。結局、船の世界では「仕事ができるかどうか」が人間関係の土台になります。仕事を覚えることが、人間関係を改善する一番の近道だったりします。

相談したほうがいい孤立

ただし、全ての孤立を「自分の適応でなんとかする」で片付けてはいけません。

「なんとなく馴染めない」と「意図的に排除されている」は別物です。たとえば、仕事の予定を自分だけ教えてもらえない、買い出しの食材や差し入れを自分だけ除外される、必要な業務連絡を回してもらえない。これらは「仲が悪い」ではなく、業務妨害です。厚労省もパワハラの6類型の一つとして「人間関係からの切り離し」を挙げています。

「仕事に必要な情報が回ってこない」「明らかに自分だけ排除されている」と感じたら、我慢ではなく記録と相談のフェーズです。先ほどの初動フロー(5W1Hでメモ → 船長や会社に事実で報告)と同じ動き方をしてください。

 

孤立が辛いなら「まず仕事を覚える」が最強の対処法。ただし、業務情報を回してもらえない・明らかに排除されているなら、それは適応の問題じゃない。記録して相談してください。
船員くん

 

「船員って性格悪い」は本当か

ネットで「船員」と検索すると「性格悪い」がサジェストに出てきます。これは半分本当で、半分誤解です。

ヒヨコくん
なんで船員って性格悪いの?
船は8~9割が嫌な人間で、善人や優しい人が使えないやつ扱いされる

 

船乗りになってから休暇中も誰とも会わないようになったわ。乗船中の人間関係がウザ過ぎて休暇中はとにかく独りになりたい。独りで山登ったり温泉入ったりしてる。

 

「8~9割が嫌な人間」はさすがに言い過ぎだと思いますが、体感として「きつい人の割合が陸より高い」のは事実だと感じます。

ただし、これは「船に乗ると性格が悪くなる」のではなく、先ほど書いた構造的な問題の結果です。

きつい環境で生き残った人→上に立つ→同じやり方で下を扱う→優しい人が辞める→さらにきつい人の比率が上がる

この悪循環を断ち切れるのは、結局のところ「まともな会社に行くこと」しかありません。ISMコードの安全管理がしっかりしている会社、組合がある会社、若手の定着率が高い会社は、この悪循環を意識的に断ち切ろうとしています。

小さい船はイケナイ自己流が多い。漁船上がりでちゃんとした会社で教育受けてこなかった人らが多いから。そして人数少ないから手順端折ったりするから

 

大きい船から小さい船に行ったらいいかげんだったというのはよく聞く話。Tシャツタンクトップノーヘルで作業してるようなとこに未経験で乗り込んじゃだめだぞ。まともなことは覚えられない

 

僕の経験では、大手の子会社や組合のある会社は、人間関係のハズレ率が明らかに低いです。完璧ではありませんが、少なくとも暴力や極端な無視は起きにくい。逆に、個人船主の小さな船はピンキリで、当たりもハズレも極端でした。

「船員は性格が悪い」のではなく、「性格が悪い人が淘汰されずに残りやすい環境がある」のが正確だと思います。環境を選べば、まともな人間関係の船はちゃんとあります。

 

「船員=性格悪い」は構造の問題であって運命じゃない。会社と船を選べば、普通に気持ちよく働ける環境は存在する。
船員くん

 

 

 

人間関係で辞めたい時の判断基準

「辞めたい」と思ったとき、すぐ辞めるべきか、もう少し耐えるべきか。これは状況によって答えが全く違います。

僕なりの判断基準を整理します。

すぐ辞めていいケース

・暴力がある(一発でもアウト)
・会社に報告しても対処されない
・心身に異常が出ている(眠れない日が続く、食欲がなくなった、涙が勝手に出る、動悸がする)
・安全管理がまともにできていない(保護具なしの作業、手順の省略が常態化している等)
・明らかな理不尽がまかり通っていて、話が通じる人が誰もいない

これらに該当するなら、迷わず辞めてください。特に心身の異常は「この程度で」と我慢しがちですが、放置するほど回復に時間がかかります。船員は人手不足なので次は見つかります。

もう少し様子を見ていいケース

・給料と休暇には不満がない
・特定の1人だけが問題(メンツが替われば解決する可能性)
・孤立はしているが、業務は回っている
・乗組員の中に1人でも話せる人・優しい人がいる

掲示板にこんなやり取りがありました。

船長の可能性があるのに嫌なんだ…。他の会社にっても何れ同じ思いをすると思うよ。以前働いていた会社にも昇格したくないってんで万年2航士のおじさんいたけど、人当たりが良くて皆と上手くやっていたけどな

 

現在の給料と休暇に不満が無ければ辞めておいた方が良いな

 

このアドバイスは的確だと思います。給料・休暇に不満がなく、暴力もないなら「人間関係だけ」で辞めるのはもったいない。なぜなら、転職先でも人間関係の問題は起こり得るからです。

ただし「もったいない」と「我慢しろ」は違います。自分の限界は自分にしか分かりません。「もう無理だ」と思ったら、それが正しいタイミングです。

僕自身、3社経験して感じたのは、「話が通じない人がいる船」が一番しんどいということでした。暴力がなくても、何を言っても響かない、理屈が通らない環境は消耗します。逆に、安全管理がしっかりしていて、おかしいことにおかしいと言える雰囲気がある船なら、多少きつくても続けられます。

だって入ってみないと分かんないじゃん

 

その通りです。入ってみないと分からないし、合わなければ次に行けばいい。船員の転職は陸に比べてハードルが圧倒的に低いです。免状があればいつでも戻れますし、人手不足の業界なので求人は常にあります。

 

判断基準はシンプル。暴力→即辞める。安全管理崩壊→即辞める。給料・休暇OK+暴力なし→メンツ交代を待つ。それでもダメなら転職。
船員くん

 

 

1年目の後半にメンタルが壊れた時系列と、「これが出たら辞めていい」という赤信号の判定フレームを書いています。治りかけでも辞めた理由も。
→ 未経験・無資格・借金150万から船員になった僕の3社転職記録

 

退職の伝え方とタイミング

辞めると決めたら、次は「いつ・どう伝えるか」です。船員の退職は陸とはルールが違うので、最低限の知識は持っておきましょう。

ヒヨコくん
近々退職しようと思うのだが、どのタイミングで言おうか悩む。さすがに休暇の最終日に今日で辞めますは非常識過ぎるか。
ボーナス貰った後の下船日

 

出来るはずだが、求職登録ついでに運輸局に確認してきたら?年間100日の休暇が60日しか消化できないのなら、雇止手当も貰えるかもしれないから、これも相談するといいよ。船員法の41条2項と46条2項を嫁

 

退職のタイミングと伝え方をまとめます。

ベストなタイミング

① ボーナスをもらった直後の下船日。これが最も損をしない方法です。ボーナスの支給条件に「○月○日在籍」がある場合は、その日を過ぎてから伝えましょう。

② 下船時に「次の乗船はしません」と伝える。休暇中に退職届を出します。会社によっては書面の提出が必要です。

避けるべきタイミング

・乗船中に突然「辞めます」:代わりの人員手配が必要なので、船長も会社も困ります。どうしても耐えられない場合を除き、下船まで待つのが望ましいです。

・休暇前に伝える:「じゃあ今日付で退職」と言われ、休暇なしで退職になるリスクがあります。

在籍確認の問題

転職先が前の会社に在籍確認をするケースもあります。業界が狭いので、悪い辞め方をすると噂が広がりやすいです。

人事に携わるものだけど、きれいな辞め方すればいいんじゃない?脱船とか泥棒とか暴力とか、会社に迷惑かけるようなのはあっという間に業界に広がる。

 

普通にやめる分には問題ないと思うよ。調査が来ても「特に問題はなかったですよ、うちには縁がなかっただけで」とか当たり障りない返事してる。履歴書見て、半月とかでころころ船会社変わってたり、手帳の雇止めが無いってのは注意対象だね

 

要するに、普通に辞めれば問題ありません。引き継ぎをして、挨拶をして、下船する。それだけで「悪い評判」が立つことはありません。

逆に脱船(無断で船を降りること)だけは絶対に避けてください。脱船は業界中に知れ渡りますし、次の就職にも影響します。どんなにきつくても、最低限の手続きは踏みましょう。

退職時のチェックリスト

・ボーナスの支給条件を確認(在籍日基準か)
・下船日に退職の意思を伝える
・有給休暇(年間休日)の未消化分がないか確認
・雇止手当の対象か運輸局に相談
・船員手帳の返却・雇止め記録の確認
・次の就職先は辞める前に目星をつけておく

 

辞め方ひとつで次の転職が変わる。「ボーナス後の下船日に伝える」が鉄板。脱船だけは絶対NG。
船員くん

 

まとめ:人間関係で船を降りる前に

船の人間関係は確かにきつい。構造的に避けられない部分もあります。でも、全ての船がそうではないというのが、3社を渡り歩いた僕の結論です。

今回の内容を整理すると:

・暴力があるなら即辞めていい。我慢する必要はゼロ
・被害に遭ったら、まず安全確保 → 5W1Hで記録 → 相談。「耐えてから」ではなく「証拠があるうちに」動く
・相談先は状況で使い分ける。緊急なら118番、労務問題は運輸局、一般相談は総合労働相談コーナー
・会社への相談は感情ではなく事実で。日時・場所・相手・内容・証拠・要望の順で伝える
・無視や孤立は「メンツ交代」で解決することが多い。ただし業務情報を回してもらえない等は我慢ではなく相談
・仕事を覚えることが、人間関係改善の最短ルート
・「1人でも優しい人がいる」なら、もう少し踏みとどまる価値がある
・辞めるなら「ボーナス後の下船日」がベスト
・船員は人手不足。辞めても次は見つかる

15年ほど乗ったが人間関係の良い船なんて一隻もなかった――こういう声もあるにはあります。でもそれは「ハズレを引き続けた」ケースだと思います。会社の選び方を間違えなければ、人間関係のストレスを最小限にすることは十分可能です。

 

1年目の後半にメンタルが壊れた時系列と、「これが出たら辞めていい」という赤信号の判定フレームを書いています。治りかけでも辞めた理由も。
→ 未経験・無資格・借金150万から船員になった僕の3社転職記録

 

※この記事は現役・元船員の口コミをもとに構成しています。船種や会社の実態は時期や個々の船によって大きく異なります。就職・転職の際は必ず面接等で最新の情報を確認してください。

 

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