この記事はこんな方におすすめ
- 船乗りになったら住まいをどうすればいいか迷っている
- 一人暮らし・実家・持ち家、どのパターンがベストか知りたい
- 長期乗船中の部屋の管理方法を知りたい
船乗りの一人暮らしが大変な理由


船乗りの一人暮らしは、陸の仕事とは比べものにならないくらい大変です。
乗船すれば1ヶ月以上は家に帰れません。その間、部屋は完全に無人になります。
普通の一人暮らしなら毎日帰宅してちょっとずつ対処できることが、船乗りの場合は「乗船前にまとめてやる」か「帰ってきてから惨状を見る」かの二択になります。
僕が実際に経験して大変だったことを整理すると、次の5つに集約されます。
①家賃の空振り
これが最大の問題です。
年間で家にいられるのは100日前後。残りの260日以上は船の上です。
つまり、家賃の約7割は「誰もいない部屋」のために払っていることになります。
仮に家賃6万円なら、年間で約50万円が空振りです。


②生ゴミと冷蔵庫の管理
乗船3日前くらいから冷蔵庫の中身を減らし始めます。
ゴミの回収日と乗船日がうまく合わなければ、生ゴミを部屋に残して出ることになります。
そのまま1ヶ月放置すると部屋がどうなるかは想像のとおりです。
必然的に乗船前は外食が増えるので、食費もかさみます。
③湿気・カビの問題
梅雨時に乗船すると、帰ってきたときにカビだらけということがあります。
僕は一度、換気と除湿の管理がうまくできずにカビが大量発生しました。
壁紙から靴まで全滅で、クリーニング代だけで数万円かかりました。
④漏電・漏水リスク
洗濯機の給水蛇口が外れて漏水を起こすケースは実際にあります。
ホースに圧がかかり続けて抜けたら、下の階まで被害が広がります。
また、コンセントに埃が溜まって引火するトラッキング現象も、長期不在の部屋では起きやすくなります。
⑤郵便ポスト・防犯の問題
1ヶ月以上ポストを確認できないので、不要なチラシで溢れかえります。

ポストがパンパンになっていると「この部屋は長期不在」と外から丸わかりです。
空き巣にとっては格好の目印になります。
船乗りの住まい5パターン|メリット・デメリットを比較


掲示板やコミュニティの声を集めると、船乗りの住まいは大きく5パターンに分かれます。
それぞれのメリット・デメリットを整理します。
①実家暮らし
メリット:家賃ゼロ、郵便物・部屋の管理を家族に頼める、貯金が最も貯まる
デメリット:自由度が低い、「休暇中ずっと家にいて働かないの?」という家族の視線
実は船乗りの中で一番多いのがこのパターンです。


お金の面では圧倒的に有利です。
年間50万円以上の家賃がゼロになるだけで、5年で250万円の差がつきます。
荷物の受け取りや郵便物の管理も任せられるので、乗船中の心配事がぐっと減ります。
ただし「休暇=ゴロゴロしている」ように見えるので、家族から「働け」という無言のプレッシャーを感じるという声もあります。
船乗りの休暇は乗船中に消耗した心身を回復させる大事な期間なのですが、陸の感覚だとなかなか理解されません。
②格安賃貸(物置化)
メリット:郵便物の届け先・住民票の置き場所として機能、自分の空間は確保できる
デメリット:住環境としてはミニマム、休暇中の快適さは犠牲になる
実家がない、または実家に戻りたくない場合に現実的な選択肢です。

割り切った考え方ですが、合理的です。
住民票を置ける場所と、荷物の保管場所さえあれば、住環境にお金をかける必要はないという発想です。
都心を外せば月2〜3万円の物件は探せます。
③普通の賃貸(1R〜1K)
メリット:休暇中に自分だけの快適な空間がある
デメリット:年間の7割が空振り、留守中の管理はすべて自己責任

休暇の過ごし方を重視する人はこのパターンを選びます。
「せっかくの休暇なんだから快適に過ごしたい」という気持ちはよくわかります。
ただし、前述のとおり留守中のリスク管理(カビ・漏水・防犯など)はすべて自分で対策する必要があります。
家賃を払うなら、できるだけ安く抑えましょう。間取りは1R〜1Kで十分です。月3万円以内に収まればベストです。
また1階の部屋は避けてください。湿気が溜まりやすく、害虫が出やすく、空き巣の被害にも遭いやすいです。オートロック付きの物件なら、勧誘も来ないので留守中も安心です。
④マンスリー・ウィークリーマンション
メリット:使う月だけ払えばいい、家具家電付き、敷金礼金なし
デメリット:住民票が置けないケースがある、荷物の保管場所は別途必要
「使わない月の家賃は払いたくない」を突き詰めるとこの選択肢になります。

さらにこれを発展させて、毎回違う地域のウィークリーマンションを渡り歩くという猛者もいます。

この生活スタイルは独身の若い船乗りにしかできない贅沢です。
荷物の保管場所として格安アパートを別に借りるか、実家やトランクルームを使う必要がありますが、「家賃の空振り」問題を根本から解消できます。
⑤持ち家(戸建て・マンション購入)
メリット:資産として残る、家賃を払い続ける虚しさがない
デメリット:ローン返済が長期固定、結婚・転職時に動きにくくなる


船乗りは収入が安定しているので、住宅ローンの審査には通りやすい傾向があります。
地方なら2,000万円前後で戸建てが買えますし、月々のローン返済が家賃と同程度なら「掛け捨て」ではなくなる分だけ合理的です。
ただし、独身のうちに買うと結婚後に住み替えが必要になるケースもあるので、人生設計と合わせて慎重に検討してください。
結局どれがおすすめ?タイプ別の選び方


タイプ別おすすめパターン
「実家は嫌だけど出費は最小限にしたい」人 → ②格安賃貸
「休暇は快適に過ごしたい」人 → ③普通の賃貸(月3万以内で探す)
「自由に動き回りたい独身」人 → ④マンスリー+トランクルーム
「腰を据えて資産形成したい」人 → ⑤持ち家
もし実家に住める環境があるなら、少なくとも最初の数年は実家をおすすめします。
乗船中の心配事が減るだけでなく、その間に貯めたお金を持ち家の頭金に回すこともできます。
僕自身は一人暮らしを経験しましたが、正直なところ「実家にいたらあの家賃分の貯金ができていたな」と思うことはあります。
一人暮らしの自由は魅力ですが、年に100日しか帰らない部屋にどれだけのコストをかけるかは、よく考えたほうがいいです。
一人暮らしをするなら|乗船前チェックリスト
それでも一人暮らしをする、またはすでにしている方に向けて、乗船前にやっておくべきことをまとめます。
冷蔵庫・生ゴミ
乗船3日前から冷蔵庫の中身を減らし始めてください。
生鮮食品は使い切るか冷凍に回します。
どうしても生ゴミが出た場合は、新聞紙に包んで冷凍庫に入れておけば匂いを防げます。
水回り
キッチン・風呂・洗面台の排水トラップに水を満たしておきます。
封水が切れると下水の匂いが上がってきて、害虫の侵入経路にもなります。
洗濯機の給水蛇口は必ず閉めてください。ホースに圧がかかり続けて抜けたら、帰宅時に部屋が水浸しです。
電気まわり
使わないコンセントはすべて抜きます。
冷蔵庫と換気扇は稼働させたままにするので、ブレーカーは落とさないでください。
どうしても使う必要があるコンセントには、トラッキング防止カバーをつけておくと安心です。
湿気対策
お風呂とキッチンの換気扇はつけっぱなしにしましょう。
換気扇の電気代は月に数百円程度なので、カビ被害の修繕費と比べれば安いものです。
梅雨時の乗船なら、スマートリモコンでエアコンの除湿モードを自動でオンオフさせる方法もあります。スマートリモコンは3,000〜5,000円程度で導入できます。
防犯対策
玄関やキッチンの電気を最低1箇所はつけっぱなしにしておきます。LED電球なら電気代も寿命も気になりません。
スマートリモコンとスマートプラグを組み合わせれば、照明の自動オンオフもできます。
郵便ポストには必ず鍵をかけ、チラシお断りシールを貼っておきましょう。

車の管理
長期間エンジンをかけないとバッテリーが上がります。
乗船前にバッテリーの端子(マイナス側)を外しておけば、放電を防げます。
帰ってきたら端子を戻すだけでエンジンがかかります。
ネット環境
使わない月がある船乗りには、使った分だけ課金されるpovo2.0のようなプランがおすすめです。
ルーターにSIMカードを挿して固定回線のように使えます。
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まとめ
この記事のポイント
- 船乗りの一人暮らしは家賃の約7割が空振りになる
- 住まいの選択肢は「実家・格安賃貸・普通の賃貸・マンスリー・持ち家」の5パターン
- 最初の数年は実家に住んで貯金を優先するのがおすすめ
- 一人暮らしをするなら乗船前のチェックリストを毎回実行する
船乗りの住まい選びは、年収やライフスタイルだけでなく「年に何日その部屋にいられるか」という特殊な条件を考慮する必要があります。
正解はひとつではありませんが、「なんとなく一人暮らし」で毎月5〜8万円を空振りし続けるのはもったいないです。
この記事が住まい選びの判断材料になれば幸いです。
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※この記事は筆者の3社勤務経験、および掲示板・業界関係者からの情報をもとに構成しています。家賃相場・物件条件は地域や時期により異なります。住居の選択は最新の情報を確認のうえ、ご自身の状況に合わせて判断してください。