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タンカー船の仕事はきつい?荷役手順の覚え方

こんにちは。船員くんです。(@tankerkun)

この記事はタンカー船の荷役を知りたい人に向けて作成してます。

 

「タンカー船の仕事内容に興味がある。荷役の流れがどんな感じか知りたい。

タンカー船に就職したけど荷役作業が覚えられない。」

 

こういった疑問や悩みに答えます。

 

 

タンカー船の種類

オトシゴくん
タンカー船ってどんな船?
ガソリンや薬品などの液体やガス等を運ぶ船のことだよ!
船員くん

まず最初にタンカー船についてですが、

タンカー船にも運ぶ荷物によって様々な種類があります。

外国から原油を大量に運ぶ大きなバルクタンカーが1番想像しやすいと思いますが、

日本国内で多いのは

  • ガソリンや軽油を運ぶタンカー(通称白油タンカー)
  • 原油を運ぶタンカー(通称黒油タンカー)
  • LPGガス、LNGガスを運ぶタンカー(ガスタンカー)
  • 化学薬品や食用油やアルコールなどを運ぶタンカー(ケミカルタンカー)

などがあります。

 

なお、この記事で解説するタンカーの種類は「ガソリンなど運ぶ白油タンカー」についてですのでご了承のほどお願いします。

 

白油タンカー船の主な仕事内容

オトシゴくん
白油タンカーの仕事は大変?
船や会社にもよるけど、タンカーの中で一番忙しいって言われているよ。
船員くん

白油タンカー船の仕事ですが、日本国内の製油所から油槽所へガソリンや灯油などを運ぶのが主な仕事になります。

運ぶ油の種類は

  • ハイオクガソリン
  • レギュラーガソリン
  • 軽油
  • 灯油
  • ナフサ
  • ジェット燃料

などがあります。

 

1度に運ぶ量は大型の船で5000klにもなります。

繁忙期は灯油の需要が大きくなる時期です。(だいたい11月〜3月ぐらい)

 

荷役(荷物の積み下ろし作業)は2時間から長いと12時間ぐらいかかります。

荷役中はデッキの上で見張り作業を行います。

なので真夏の暑い日や、真冬の吹雪の日はとてもキツイです。

 

重量物の持ち運びやタンク内の清掃など危険な作業も多く、

体力が必要とされる仕事です。

 

一般的な貨物船に比べて給料が高く設定されている場合が多いので、

少しでもお金を稼ぎたい人には向いているといえます。

 

白油タンカー船の荷役の流れ

オトシゴくん
荷役って何?
荷役(にやく)は荷物を積み下ろしするメインの仕事だよ。
船員くん

タンカー船の荷役には

  1. 荷物を船に積み込む【積荷役】
  2. 荷物を陸上に揚げる【揚荷役】

の2種類がありますのでそれぞれ解説していきます。

 

積荷役の流れ

 

タンクの準備

あらかじめタンク内の掃除を行い、荷物が混ざってしまう事(コンタミネーション)を防ぐ。

タンクに掃除に入る前には規定の時間ガスフリー作業を行って、酸素濃度を測定した上で入らないと酸欠で死ぬ場合があります。

ちなみに灯油や軽油を積んだ後のタンク掃除は、油が揮発しにくいのでベタベタするし目が痛くなるし最悪です。笑

 

荷役準備

荷役バースに着桟する前に荷役に必要な道具や、

消火栓準備、係船索の準備などを行います。

 

荷役バースによって使用する係船索の本数や場所、

陸上アームと船のマニホールドを接続するレジューサーの大きさが変わります。

荷役に使用する道具の場所も含めて、メモをとって少しでも早く覚えましょう。

 

ミーティング

陸上の荷役担当者と船員でミーティングを行います。

積荷のタンク場所の確認、数量確認などを相互で行います。

 

ミーティング後にバルブの閉止確認や空タンク内の目視確認などの安全確認を行うこともあります。

 

陸上アームとレジューサーの接続

陸上アームと船を接続します。

陸上のアームは大きくて重いので取り扱いに注意しましょう。

船とアームの間に挟まれたりしたら最悪死にます。

 

また、アーム内はガスが膨張して圧力がかかってる場合があるので、

アームの蓋を外すときは必ずゆっくりと圧力を抜いてから開けるようにしましょう。

 

アームと船を接続した後は、問題なく接続されているか確認のために陸上から窒素を送り込みます。

アームの接続部に対して、水で薄めた洗剤をかけて泡が出なければ隙間なく接続されてます。

 

ライン開通(ラインアップ)

アームから積み込むタンクまでの船のラインを通します。

ラインのバルブを手動で開放していきます。(自動で制御している船もあります)

そのため船のライン配管を覚えてないと仕事にならず、事故につながる場合もあるので、なるべく早く船のライン配管を覚えましょう。

 

通気確認

陸上アームから窒素の圧力をかけて、マニホールドのバルブを開放します。

タンク内のベルマウスから勢いよく空気が出る音がすれば、タンクに対してラインが開通しています。

この確認を行うことで、積み間違いやバルブ開放間違いを防ぐことができます。

 

インタンク確認

陸上から低速で油を送り込み、タンク内に油が到着するのを目視で確認します。

ベルマウスが油に浸かるまでは静電気が発生する恐れがあるので、低速で積み込みを行います。

積み込み込みを行うすべてのタンクのベルマウスを流速上げる前に、あらかじめ浸しておくパターンが多いです。

 

ベルマウスが油に浸かった後はタンクの蓋を閉め、規定の流速で積み込みを開始します。

 

油面監視

タンクに荷物を積み込んでいる最中は、デッキ上で積み込み状況の確認や係船作の調整、バラスト水の排出などを行います。

 

タンク切り替え

積み込みタンクが規定の数量に達したら、他のタンクに切り替えます。

無線などを使用してコミュニケーションを取りながらバルブの開閉を行います。

なお、荷役事故を防ぐために一発で切り替えを行わず、少しづつ切り替えるタンクのバルブを開放していきます。

 

陸上からのエア押し

積み込み予定のタンク全てに荷物が積まれたら、エア押しを行います。

陸上から窒素を圧力をかけて送り込み、アームやライン上に残った油をタンクに送り込みます。

 

数量確認、陸上アーム取り外し、離桟

エア押し終了後、荷物の数量を確認して間違っていなければ陸上アームを取り外します。

ラインにはエア押しの圧力がかかっているので、圧を抜いてから取り外します。

荷役で使用した道具をかたずけつつ離桟を行います。(慣れないとかなり忙しいです)

 

離散後はデッキ上の忘れ物やバルブの閉止忘れなど確認して、船内に戻ります。

 

これで積荷役は終了です。

 

 

揚荷役の流れ

 

ポンプ内残油処理

前回荷役した荷物の種類が違う場合、コンタミネーションを防止するためにポンプ内に残っている残油を処理する必要が有ります。

 

荷役準備、ミーティング

積荷役とほとんど変わりません。

 

タンク内検水

荷物に海水や水が混じってないか確認をします。

検尺の先に、水に浸かると色が変わる薬品をつけてタンク内の検査をします。

 

陸上アームとレジューサーの接続

積荷役とほとんど変わりません。

 

ライン開通(ラインアップ)

積荷役とほとんど変わりません。

 

ポンプ圧力調整

船のポンプを使ってタンク内の荷物を陸上側のタンクに送ります。

船のポンプを指定された圧力になるまで回転させます。

 

ゲートバルブ開放

圧力が指定された数値まで上がれば、ゲートをアーム入り口のゲートバルブを開放して荷役を開始します。

 

油面監視、タンク切り替え

積荷役とほとんど変わりません。

陸上から流速の指定などがあればその都度ポンプを調整します。

 

さらえ

陸上に1度に送りきれずに、タンク内に残った荷物を船首側から順番に再度送ってきます。

その際ポンプの回転数を下げて流速を落とし、ポンプにエアが噛んでもいいようにします。

 

エア押し

さらえ後、ライン内に残った油を船のポンプを使用してエア押しします。

 

数量確認、陸上アーム取り外し、離桟

積荷役とほとんど変わりません。

 

【結論】最初は難しいけど、やってればそのうち覚えられます

 

最初の方は重要な作業は任されないと思いますが、バルブの開閉間違いだけはしないように気をつけましょう。

言われてもないようなバルブを勝手に開けたりしたらめちゃめちゃ怒鳴られます。(事故が起きるので当然ですが笑)

 

荷役作業は手順が多く慣れない作業ばかりだと思いますが、物覚えや要領があまりよくなくても、1年もやってれば嫌でも覚えます。

 

何をしていいかわからず怒られることも多いと思いますが、

「船の道具の場所を覚えること」、「ラインの配管を覚えること」「係船索の準備を覚えること」を最初の目標にしてがんばりましょう!

 

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