この記事はこんな方におすすめ
- 「海技士試験の過去問を、どこで手に入れればいいかわからない」
- 「過去問を解いたけど、答えが合っているか確かめられない」
- 「過去問は何回分、どの順番で解けばいいのか知りたい」











この記事の結論
- 入手先:1〜5級の筆記試験の過去問は、国土交通省のサイトで令和5年4月定期の回から無料公開されています。6級と、令和4年度以前の回は地方運輸局への問い合わせです
- 解答:国土交通省の過去問ページに公式の解答はありません。1級機関の解答要領の情報公開請求でも、全部不開示にした決定が「妥当」とされています
- 答え合わせ:市販の問題集の解答と照らし合わせ、法規は条文で確かめます
- 何回分:載っている回が材料のすべてです。funejinで調べた3つの級(令和8年7月期)では直近2〜3回からの再出題が少なかったので、その前の回を厚く回すのがおすすめです
海技士試験の過去問は、国土交通省のサイトで無料で手に入る
海技士試験(筆記)の過去問は、国土交通省のサイトの「海技試験の過去問」のページにPDFで載っています。登録も料金も要りません。
載っているのは、令和5年4月定期から最新の回までの1級〜5級です(2026年11月2日に確認した時点では、令和8年7月定期までの14回分)。航海と機関のほか、通信・電子通信の問題もあります。
区分の記号(4N・内4Eなど)の読み方
ページでは、級と種類が「4N」「内4E」のような記号で並んでいます。数字が級、Nが航海、Eが機関です。
| 記号 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| N | 海技士(航海) | 4N=四級海技士(航海) |
| E | 海技士(機関) | 5E=五級海技士(機関) |
| 内◯E | 内燃機関◯級海技士(機関) | 内4E=内燃機関四級海技士(機関) |
| R | 海技士(通信) | 1R=一級海技士(通信) |
| Re | 海技士(電子通信) | 1〜3Re=一〜三級海技士(電子通信) |
機関は「4E・内4E」のように、同じ級の機関と内燃機関がひとまとめになっています。四級機と四級内のように、機関と内燃機関では機関1(キ1)で答える問題が一部違うので、自分が申請する方の問題だけを解いてください。
新しい回が載るのは「筆記試験の翌月上旬」
定期試験は年4回(2月・4月・7月・10月)です。国土交通省は、毎回、筆記試験の翌月上旬を目安に過去問を載せるとしています。
→ 2月定期の問題は3月上旬、4月定期は5月上旬、7月定期は8月上旬、10月定期は11月上旬が目安です → 2月定期を受ける人が使えるいちばん新しい回は、前の年の10月定期です
船の上は電波が入らない時間も長いので、乗船前に、受ける級の全回をまとめて保存しておくと困りません。
6級と、令和4年度以前の過去問は地方運輸局に問い合わせる
国土交通省のページには、6級(6N・6E)の過去問は載っていません。令和4年度以前に行われた回も同じで、どちらも地方運輸局等に問い合わせるよう案内されています。
6級の筆記は4択のマークシートで、4級以上の記述式とは別物です。試験の中身と、6級を取る価値はこちらにまとめています。
口述試験の問題は載っていない
国土交通省のページに載っているのは筆記試験の問題だけで、口述試験の問題は載っていません。口述の対策は、受けた人の記録から出題を整理した参考書や記事を使うことになります。
4級・5級(航海)の口述で聞かれた内容と、落ちる人のパターンはこちらで分析しています。
海技士試験の公式解答は公表されていない











国土交通省の過去問ページにあるのは問題だけで、解答や模範解答は載っていません。公式の「正解」は公表されていないと考えてください。
情報公開請求でも「全部不開示が妥当」とされた
令和6年10月定期の一級海技士(機関)の筆記試験について、採点に使う「解答要領」の開示を求めた人がいます。北海道運輸局長は全部を不開示にし、総務省の情報公開・個人情報保護審査会は令和8年3月4日、その決定を「妥当である」と答申しました。
答申の要点
- 対象:令和6年10月定期試験・一級海技士(機関)筆記試験の解答要領
- 中身:模範解答の例と、細かい配点(素点)の基準が書かれています
- 国土交通省の説明:計算問題や記述式は正解が一つに決まりません。開示すると模範解答の暗記に偏り、知識を正しく評価できなくなります。事前に手に入れた人とそうでない人で、点に差が出ます
- 審査会の結論:開示すると採点や評価のしかたが推測され、受験者の力を正しくつかめなくなるおそれがあります(行政機関情報公開法5条6号イ)。全部不開示は妥当としました
答申が扱ったのは、1級機関の1回分の解答要領です。ほかの級や回について同じ判断が出たわけではありませんが、国土交通省は答申の中で、試験問題は試験のあとにホームページで公開し、解答要領は公表していないと説明しています。実際、過去問ページにはどの級の解答も載っていません。
解答を出さない理由のひとつは「同じ問題がまた出るから」
答申の中で国土交通省は、同じ問題が再出題されることがあるため、解答要領を出すと、これから出る問題の答えを広めるのと同じになると説明しています。
受ける側から見ると、同じ問題がまた出ることがあると、国自身が説明しているということです。答えが公表されていないのは不便ですが、過去問を解いて自分の答えを固めておけば、同じ問題が出たときに対応しやすくなります。
公式解答がない中での答え合わせは4つの方法で











① 市販の問題集の解答と照らし合わせる
いちばん手軽なのは、解答つきの問題集を使うことです。
→ 1級〜4級:成山堂書店の「○級海技士(航海)800題 問題と解答」「○級海技士(機関)800題 問題と解答」。直近3年分(12回分)を科目順・出題年月順に収録していて、毎年夏に新しい年版が出ます → 5級(航海):成山堂書店の「五級海技士(航海)筆記試験 問題と解答」 → 機関で解説を厚く読みたい人:海文堂出版の「海技士4E 解説でわかる問題集」「海技士3E 解説でわかる問題集」
ただし、気をつけたい点が2つあります。
1つ目は、問題集の解答は国の公式解答ではないことです。編者がつくった解答なので、迷ったら教科書や条文で確かめてください。
2つ目は、新しい回が入るのは翌年の夏の版になることです。たとえば「四級海技士(機関)800題」の2027年版(2026年8月発売)は2023年7月〜2026年4月の収録で、2026年7月期以降の問題は入っていません。直近の回は国土交通省のPDFで補います。
② 法規は条文で確かめる
法規(機関なら執務一般の法令の問題)は、答えが条文に書いてあります。e-Gov法令検索で、海上衝突予防法・海上交通安全法・港則法・船員法・船員労働安全衛生規則・海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律などを引けば、自分の答えが合っているかをその場で確かめられます。口述で持ち込める「海技試験六法」(成山堂書店)が手元にあれば、それでも引けます。
古い回の問題は、出題したときの条文が前提です。答え合わせは今の条文で行い、改正で答えが変わっていないかも見ておくと安心です。
③ 記述問題は「要点が入っているか」で自己採点する
記述式は、国土交通省自身が、正解が一つに決まらないと説明しています。答申によると、採点に使う解答要領には模範解答の例と細かい配点が書かれていますが、その中身は公開されていません。自己採点は、要点(キーワード)ごとに入っているかを数えるのが現実的です。
自己採点は、次の順でやるとぶれが少なくなります。
→ 問題集や教科書の答えから、要点を2〜4個に分けて書き出します → 自分の答えに、その要点がいくつ入っているかを数えます → 「3つあげよ」なら、3つ書けているかを先に確かめます(足りない分は点になりません)
合格基準は、各科目が配点の50%以上、かつ全科目の合計が65%以上です(65%に届いた科目は科目合格)。自己採点も、この線を目安にしてください。
④ 上の職員やAIに見てもらう(AIは裏取りが前提)
乗船中なら、同じ部署で上の免状を持っている人に答案を見てもらうのが早道です。航海なら航海士や船長、機関なら機関士や機関長に、要点が外れていないかだけ見てもらえば十分です。
AIに解説を作らせるのも手ですが、もっともらしい間違いも混ざります。AIの答えは、必ず問題集・教科書・条文のどれかで裏を取ってください。AIを試験勉強に使うときのコツと注意点は、こちらにまとめています。
4級を受ける方 過去問12回分の出題分析+暗記アプリ「フネアンキ4N」(全234問)+天測手順アプリ「フネテンソク4N」付き。天測計算の全12問解答と2週間の日割りスケジュールをnoteにまとめています。 → 4級海技士(航海)筆記試験|過去12回分析・天測全12問解答・スマホ暗記アプリ付き
3級を受ける方 過去問12回分の出題分析+暗記アプリ「フネアンキ3N」(全259問)+天測手順アプリ「フネテンソク3N」(全12問)付き。sin/cosを使う天測計算15ステップとトリム計算3パターンを解説しています。 → 3級海技士(航海)筆記試験|過去12回分析・天測15ステップ完全解説・暗記&天測アプリ付き
過去問は何回分やればいい?再出題データから解く順番を考える











材料は、国土交通省に載っている回がすべてです。迷うのは、どの回から解くかです。
funejinでは、5級(航海)・4級(機関)・5級(機関)の令和8年7月期の問題を1問ずつ過去の回と突き合わせて、「どのくらい前の回から戻ってきたか」を調べました。
| 級 | 調べた問題 | 直近の回からの再出題 | 戻ってきた回 |
|---|---|---|---|
| 5級(航海) | 全31小問 | 直近2回からは1問だけ | ほぼ全部が4〜11回前。平均約7回前で、公開されている一番古い回(令和5年4月期)からも1問 |
| 4級(機関) | ほぼ同じ文で再出題された問題 | 直近2回からは0問 | 3〜11回前。平均約7回前 |
| 5級(機関) | 過去の回から戻ってきた問題 | 直近3回からは0問 | 最短で4回前。平均約9回前 |
※funejinの級別記事(令和5年4月期〜令和8年7月期の14回分)の分析から。回数は令和8年7月期から数えた値
3つの級とも、令和8年7月期では直近の回からの再出題がほとんどありませんでした。5級(機関)では、直近6回分の範囲から戻ってきたのは4問だけで、残りはそれより前の回からでした。少なくともこの3つの級では、新しい順に数回分だけ解くやり方だと、戻ってくる問題の多くを取りこぼします。
ただし、どれも1回分の試験を調べた結果です。ほかの級や次の回で同じ傾向になるとは限りません。
解く順番の型
過去問を解く順番(令和8年7月期の分析から)
- 直近2〜3回:出題の形と時間配分を見るために1周だけ。何回飛ばすかは級で違います(5級航海・4級機関は2回、5級機関は3回)
- それより前の回:次の試験の出題プールです。ここを3周します
- 一番古い回:一巡して戻ってくることがあるので、捨てません
- 飛ばした直近の回:次の次の試験以降には戻ってくるので、受験が先の人は捨てません
3周は、1周目で解けた問題と解けなかった問題を分け、2周目は解けなかった問題だけ、3周目は時間を計って本番と同じ条件で通すのが基本です。
何回前までを厚くやるかの細かい範囲は、級ごとに違います。受ける級の分析記事(この記事の後半で紹介しています)で確かめてください。表に入れていない級(4級・3級の航海、3級の機関など)は、まず全回を1周して出題の形をつかんでから決めてください。
問題集だけだと「一番古い回」と「最新の回」が抜ける
800題の問題集は直近3年分(12回分)なので、国土交通省に載っている一番古い回や、発売後の回は入っていません。四級海技士(機関)の2027年版なら、令和5年4月期と、令和8年7月期以降が入っていません。
5級(航海)の令和8年7月期には、その一番古い令和5年4月期からの再出題がありました。問題集で回す人も、抜けている回だけは国土交通省のPDFで足してください。
級別の過去問分析はこちら
ここまでは全級に共通の話です。級ごとの頻出テーマや出題予想は、それぞれの記事にまとめています(5級航海と3〜5級機関は、過去問14回分の分析つき)。
| 級 | 過去問の区分 | 国土交通省のページ | funejinの分析 |
|---|---|---|---|
| 5級(航海) | 5N | あり | 頻出テーマ・計算問題・出題予想 |
| 4級・3級(航海) | 4N・3N | あり | 難易度・合格率・勉強時間 |
| 5級(機関) | 5E・内5E | あり | 頻出テーマ・計算問題・出題予想 |
| 4級(機関) | 4E・内4E | あり | 頻出テーマ・計算問題・出題予想 |
| 3級(機関) | 3E・内3E | あり | 頻出テーマ・記述答案の型・出題予想 |
| 6級 | 6N・6E | なし(地方運輸局へ) | 難易度・合格率・取る価値 |
| 1級・2級 | 1N・2N・1E・2E・内2E | あり | ― |
航海(5級・4級・3級)
5級(航海)は、直近2回を飛ばす根拠と、航海・運用・法規の頻出テーマをまとめています。
4級・3級(航海)は、2つの級の難易度の差(3級は航海の天測計算が増える)と、独学の勉強時間をまとめています。
機関(5級・4級・3級)
5級(機関)は直近3回、4級(機関)は直近2回を後回しにする根拠と、科目別の頻出テーマをまとめています。3級(機関)は、記述式の答案で点を取る型から解説しています。
まとめ
この記事のポイント
- 海技士試験(筆記)の過去問は、国土交通省「海技試験の過去問」のページで、令和5年4月定期からの1〜5級を無料でダウンロードできます。新しい回は筆記試験の翌月上旬が目安です
- 6級と令和4年度以前の回は、地方運輸局等への問い合わせです。口述試験の問題は載っていません
- 国土交通省の過去問ページに公式の解答はありません。1級機関の解答要領を全部不開示にした決定も、審査会で妥当とされました
- 答え合わせは、問題集の解答と、法規なら条文で行います。記述は要点ごとに自己採点します(実際の配点は公開されていません)
- 令和8年7月期の分析(5級航海・4級機関・5級機関)では直近2〜3回からの再出題が少なかったので、直近は1周だけにして、その前の回を3周します。一番古い回も捨てません
◆ この記事を読んだあと、最初にやること3つ
① 国土交通省のページから受ける級の全回をダウンロードして、古い回から順に並べます ② 受ける級の分析記事で、後回しにする直近の回と、厚くやる回を決めます ③ 答え合わせ用に、問題集(1〜4級なら800題)か、法規の条文を引ける環境を用意します
※過去問の掲載範囲は、国土交通省「海技試験の過去問」のページを2026年11月2日に確認した内容です。解答要領の扱いは総務省 情報公開・個人情報保護審査会の答申(令和7年度(行情)答申第962号)、合格基準は東北運輸局「海技士国家試験 受験の案内(令和8年10月定期試験)」によります。再出題の回数は、funejinの級別記事で令和5年4月期〜令和8年7月期の14回分を分析した結果です。掲載範囲や受験の要件は変わることがあるので、受験前に国土交通省・地方運輸局の最新の案内を確認してください。







