この記事はこんな方におすすめ
- 「あと何年乗れば、上の級の口述試験を受けられるのか知りたい」
- 「申請書の乗船履歴を書くのが面倒。記入欄も足りない」
- 「海技士の各級に必要な乗船履歴を、まとめて確認したい」
乗船履歴の計算、自分でやると地味に面倒ですよね






海技士の乗船履歴は、乗った日数を単純に足すだけでは正しく出ません。乗船日も下船日も両方1日として数え、月や年は暦に従って計算するという国土交通省のルールがあるからです。さらに、複数の船を乗り継いでいれば、その合計も決められた方法で足し上げる必要があります。
受験のたびにこれを手計算するのは大変です。そこで、乗船日と下船日を入れるだけで各乗船の期間と合計を自動計算し、そのまま申請書の体裁で印刷できるツールを用意しました。
※ツールがうまく表示されない場合は、別画面で開いてご利用ください。(PC推奨)
使い方は2通りです。「かんたん計算」モードは乗船日・下船日を入れるだけで、要件と照らし合わせるための乗船期間をすぐ確認できます。「申請書下書き」モードは、船舶名・総トン数・職名なども入力でき、入力した内容を申請書(第21号様式)の乗船履歴の形で印刷できます。
乗船履歴の計算ルール(国土交通省の方法)
このツールは、国土交通省が示している乗船履歴の計算方法に沿って計算しています。ポイントは2つです。
まず各乗船の期間は、乗船日・下船日の両方を算入して、暦どおりに計算します。たとえば11月1日に乗って11月2日に下りた場合は2日、4月25日に乗って7月30日に下りた場合は3月6日です。日数を単純に30で割るような計算ではなく、実際の暦に合わせて月数を数えます。
次に複数の乗船をまとめた合計は、日が30日になると1月に、月が12月になると1年に繰り上げます。たとえば「1年10月25日」と「7月15日」を足すと「2年6月10日」になります。各乗船の期間を出してから、この方法で合計するのが正しい足し方です。
このツールは国土交通省が公開している計算例(11月1日〜11月2日=2日、4月25日〜7月30日=3月6日など)でひとつずつ検算して、同じ結果になることを確認しています。
申請書の乗船履歴欄、記入欄が足りないときは「もう一枚」
口述試験などを申し込むとき、乗船履歴は第21号様式(海技士国家試験申請書(二))に記入します。この様式は運輸局の窓口でもらうものと思われがちですが、実は国土交通省のサイトからWord版・PDF版をダウンロードして、記入・印刷して使えます。乗船履歴だけの様式や、納付書・委任状も同じページにまとまっています。
ただ、この第21号様式の乗船履歴欄は6行しかなく、何隻も乗り継いでいると、すぐに足りなくなります。筆者も実際にこれで失敗しました。記入欄が足りなかったので、用紙の裏に続きを書いて運輸局に持っていったところ、「裏ではなく、もう一枚使ってほしかった」と言われました。少なくとも筆者のケースでは、裏面ではなく2枚目の様式を使うよう案内されました。乗船履歴が多い人は、最初から2枚目以降の様式に分けて書くのが無難です。




このツールの「申請書下書き」モードは、乗船を何件でも入力でき、6行を超えると自動で2枚目以降に分けて印刷します。手書きで何枚も書く前に、まず下書きとして使ってみてください。
海技士の各級に必要な乗船履歴の目安
自分の乗船履歴で、どの級まで狙えるのかの目安です。大きく分けて、下位級を持たずに経験年数で受ける「叩き上げルート」と、ひとつ下の級を取ってから受ける「級ステップアップルート」があります。
海技士(航海)の乗船履歴の目安
| 級 | 叩き上げルートの目安 | 下位級取得後の目安 |
|---|---|---|
| 6級 | 5トン以上の船舶で運航2年以上 | — |
| 5級 | 10トン以上で運航3年以上 | 6級取得後、20トン以上で船長又は航海士1年以上 |
| 4級 | 200t平水・20t沿海以上などで運航3年以上 | 5級取得後、船長又は航海士1年以上 |
| 3級 | 1600t沿海・20t近海遠洋などで運航3年以上 | 4級取得後、航海士2年以上/船長・一等航海士1年以上 |
| 2級 | — | 3級取得後、一定以上の船舶で船舶職員1年以上/条件により船長・航海士2年以上 |
| 1級 | — | 2級取得後、船長・一等航海士を除く船舶職員2年以上/船長・一等航海士1年以上 |
海技士(機関)の乗船履歴の目安
| 級 | 叩き上げルートの目安 | 下位級取得後の目安 |
|---|---|---|
| 6級 | 5トン以上の船舶で機関運転2年以上 | — |
| 5級 | 10トン以上で機関運転3年以上 | 6級取得後、20トン以上で機関長又は機関士1年以上 |
| 4級 | 750kW平水・20t沿海以上などで機関運転3年以上 | 5級取得後、機関長又は機関士1年以上 |
| 3級 | 3000kW沿海・20t近海遠洋などで機関運転3年以上 | 4級取得後、機関士2年以上/機関長・一等機関士1年以上 |
| 2級 | — | 3級取得後、一定以上の船舶で船舶職員1年以上/条件により機関長・機関士2年以上 |
| 1級 | — | 2級取得後、機関長・一等機関士を除く船舶職員2年以上/機関長・一等機関士1年以上 |
目安表を見るときの注意
「第31条の換算」が必要な人は運輸局へ
複数の異なる乗船履歴を組み合わせて受験資格を満たす場合、必要な期間の比例に応じて履歴を換算して合算する「第31条の換算」という仕組みがあります。たとえば、1年要件側の履歴を3年要件側にそろえて換算する、といった計算が出てきます。
ただしこの換算は級ごと・職ごとに条件が分かれていて複雑なため、このツールでは自動計算していません。換算が必要かどうか、また受験資格を満たすかどうかの最終判断は、必ず地方運輸局に確認してください。申請書の期間欄には、換算した期間を括弧で付記する決まりになっています。
乗船履歴を満たしたら、次は試験対策
乗船履歴の見通しが立ったら、次は筆記試験と口述試験の対策です。4級・3級航海の筆記の暗記対策には、過去問ベースの暗記アプリ「フネアンキ」を用意しています。口述試験の答え方は、出題ごとの模範解答つきでnote記事にまとめています。
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まとめ
この記事のポイント
- 乗船履歴は、乗船日・下船日の両方を算入し、暦どおりに計算する
- 複数の乗船の合計は、日が30で1月・月が12で1年に繰り上げる
- 申請書の乗船履歴欄は6行。足りないときは裏ではなく2枚目の様式を使う
- このツールなら、自動計算+6行を超えても複数枚に分けて印刷できる
- 第31条の換算が必要な人や、受験資格の最終判断は運輸局へ
※この記事は、国土交通省が公開している乗船履歴の計算方法および船舶職員及び小型船舶操縦者法施行規則の別表第五・別表第六をもとに構成しています。受験資格や乗船履歴の認定、第31条の換算などの正式な判断は、最新の法令および地方運輸局でご確認ください。