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5級海技士(航海) 筆記試験の傾向と対策|過去問14回分析頻出テーマ

※ PRが含まれる場合があります

こんにちは。船員くんです。(@tankerkun)
船員くん

この記事はこんな方におすすめ

  • 「5級海技士の筆記試験、何から勉強すればいいかわからない」
  • 「過去問を解いてるけど、どこが頻出なのか整理したい」
  • 「限られた勉強時間で効率よく合格点を取りたい」

 

5級海技士 筆記試験の全体像

ヒヨコくん
5級海技士の筆記試験って、何科目あるの?
航海・運用・法規の3科目で、全部記述式。丸暗記じゃなくて「自分の言葉で書ける」レベルまで理解する必要がある
船員くん

 

5級海技士の筆記試験は、航海(コ)・運用(ウ)・法規(ホ)の3科目で構成されています。

試験は年4回(4月・7月・10月・2月)実施されます。

 

試験科目と配点

  • 航海(コ):大問4題×100点=400点満点(2時間30分)
  • 運用(ウ):大問4題×100点=400点満点(2時間30分)
  • 法規(ホ):大問3題×100点=300点満点(2時間)

 

ちなみに、筆記試験は乗船履歴がなくても受験できます。まだ乗船していない段階でも、先に筆記だけ合格しておくことが可能です。

船乗りになったのは、30歳過ぎてからだよ。筆記試験は、乗船履歴が無くても取れるから、勉強してなんとか合格して、まず一番大きい会社から順に電話かけてった。

 

ただし、筆記に合格しただけでは海技免状は取得できません。免状取得までには、乗船履歴の確認、身体検査、口述試験、必要な講習の受講などが必要です。「まず筆記だけ先に取っておく」のは十分アリな戦略ですが、ゴールは筆記合格の先にあることは頭に入れておきましょう。

 

受験前に確認する公式情報

  • 試験日程・申請締切:地方運輸局の海技試験案内ページで確認
  • 申請書・必要書類:国土交通省「海技試験の手続き」ページで配布
  • 受験費用の目安:筆記3,500円+口述3,700円+身体検査870円+登録免許税3,000円(五級海技士の場合)

 

免状を取ることは、船員としてのキャリアアップに直結します。部員と職員では給料に大きな差が出るため、「まず5級を取る」ことが収入を上げる最短ルートです。


免状取ることも仕事の一部なんだがね

 

この記事では、直近14回分の過去問(2023年4月期〜2026年7月期)を分析し、科目別の頻出テーマと効率的な勉強法をまとめました。

5級は出題パターンの繰り返しが非常にはっきりしています。闇雲に過去問を解くよりも、「何が繰り返し出ているか」を把握してから勉強する方が圧倒的に効率がいいです。

 

おすすめ過去問集

過去問を手元に置いて照らし合わせながら読むと、出題パターンがより実感できます。

 

無料で手に入る公式過去問

国土交通省は、筆記試験の翌月上旬を目安に過去問を公式サイトに掲載しています。5級海技士(航海)は令和5年4月定期以降の問題が公開されています。まずは無料で手に入る公式過去問を集め、解説が必要になったら市販本を使う流れがおすすめです。

 

過去問は「直近2回を飛ばして、その前」を厚くやる

ヒヨコくん
過去問って、新しいものから順にやればいいんだよね?
それが一番よくあるハズレ方。直近2回の問題は、次の試験にはほぼ出てこない
船員くん

 

R8年7月期(2026年7月)の出題を1問ずつさかのぼって、「同じ問題が前回どの回に出ていたか」を全31小問で調べました。結果は次のとおりです。

 

R8/7の出題は「どのくらい前の回」から来たか

  • 直近2回(R8/2・R8/4)からの再出題:31小問中1問だけ(運用のワイヤロープ切断原因)
  • 4〜11回前からの再出題:残りのほぼ全部
  • 再出題までの平均間隔:約7回前
  • 過去14回に前例のない新問:1問(法規の安衛則(A)(B)正誤・高所作業3m)

 

具体例を挙げると、R8/7の航海 大問1㈠(磁気コンパスの部品の役目・6択)はR5年10月期とまったく同じ問題でした。11回前です。

法規 大問3㈡(海難報告に提示する書類の4択)にいたっては、前回出題はR5年4月期。14回前、つまり公開されている過去問の一番古い回からの再出題でした。

 

つまり、直近2回の過去問をいくら回しても、次の試験で出る問題にはほとんど当たらないということです。

 

◆ 過去問の正しい使い方

→ 直近2回(R8/4・R8/7):形式と時間配分の確認用に1周だけ。深追いしない
→ 4〜11回前(R5/10〜R7/10あたり):ここが次回の出題プール。3周して答えを暗記するレベルまで
→ 一番古い回(R5/4):14回前で「そろそろ一巡する」ゾーン。捨てない

古い過去問ほど価値が低いと思われがちですが、5級ではむしろ逆です。手に入る一番古い回まで含めて、まんべんなく潰すのが正解です。

 

受験時期の戦略

海技試験は年4回(4月・7月・10月・2月)実施されます。問題は全国共通なので難易度そのものに差はありませんが、受験者層には季節ごとの傾向があると言われています。

4月7月は実務者が多いのでわりかしやさしめ
10月2月は学生ばっかり数が多くなる

明確な根拠があるわけではありませんが、4月・7月は現役船員の受験が多く、10月・2月は学校卒業組が多い傾向があるという声です。

 

ただし、乗船している人にとって最優先で考えるべきは「休暇と試験日が合うか」です。受験者層の傾向より、確実に会場に行ける日程を選ぶことの方がはるかに重要です。申請締切は試験日のかなり前に設定されているので、配乗予定が見えた段階で早めに押さえておきましょう。

 

航海(コ)の頻出テーマと勉強法

ヒヨコくん
航海って海図の問題が難しそう……
海図は練習量がモノを言うけど、大問1の航海計器と大問3の航路標識は暗記で取れる。ここを確実に押さえれば、海図が多少ミスっても合格ラインに届くよ
船員くん

 

航海は大問4題構成で、それぞれ出題範囲がほぼ固定されています。

 

大問1:航海計器(磁気コンパス・音響測深機・レーダー等)

大問1は航海計器の知識を問う問題で、14回中ほぼ毎回同じテーマから出題されています。

 

◆ ほぼ毎回出るテーマ

① 磁気コンパス(毎回出題・14/14回)

問1㈠は毎回磁気コンパスから出題されます。出題パターンは大きく分けて計算型と知識型の2系統があります。

計算型(5/14回)

パターンA:自差曲線から読み取り(3回)
→ 船首方位ごとの自差を曲線から読み取り、コンパス方位を磁針方位に換算する問題。「コンパス針路○○°で航行中、灯台のコンパス方位を○○°に測った。磁針方位は何度か」という形式です。

パターンB:自差表から読み取り(2回)
→ 船首方位と自差の対応表が与えられ、同様の換算を行う問題。「磁針路○○°で航行するにはコンパス針路を何度にすればよいか」という逆方向の問いも出ます。

知識型(9/14回)

真北・磁北・コンパスの北の図示(3回)、部品の役目を答える問題(3回)、自差の正誤判定(1回)、断面図の部品名称(1回)、鉄器類の影響+気泡除去の方法(1回)。

どちらの系統でも、「コンパス方位+自差=磁針方位」の関係を確実に使いこなせることが基本です。自差のE(東偏)は+、W(西偏)は−の符号を間違えないようにしましょう。計算型が出れば即得点、知識型でも部品の役目(コンパス液・磁針・浮室・ジンバル装置)を覚えておけば大半に対応できます。

 

② 偏差のある海域でコンパス方位=真方位となる船首方位

自差と偏差が打ち消し合う船首方位を選ぶ4択問題。自差曲線や自差表から各船首方位の自差を読み取り、偏差と符号が逆で絶対値が等しくなる方位を選びます。

 

③ 音響測深機(10/14回)

以下の3パターンのどれかが出ます。

「感度(感度調整)を上げすぎると、表示面(記録紙)はどのようになるか」→ 海底以外のノイズや雑信号が記録されて判読しにくくなる

「水深が浅いときに、濃いはっきりした線で2回反射線、3回反射線が現れることがあるが、これは一般にどのような底質の場合か」→ 岩盤など硬い底質の場合

「海面から海底までの水深を測定するために、どのような調整が必要か」→ 吃水の補正(送受波器の深さ分を加える)と音速の補正

 

 

大問2:海図(チャートワーク)

試験用海図(No.15またはNo.16)を使った実技的な計算問題。2題または3題構成で、テーマは3種類から出題されます。

 

㈠ ジャイロ誤差の計算(8/14回)

2つの物標(灯台と山頂など)が一線になったとき(重視線)のジャイロコンパス方位から誤差を求める問題。海図上で2物標を結んだ真方位と、測定したジャイロ方位の差がジャイロ誤差です。

 

㈡ 実航磁針路・実速力・正横距離・予想位置(毎回出題)

「B丸(速力○○ノット)は、○○灯台から真方位○○°、距離○○海里の地点を発し、磁針路○○°で航行した。この海域には流向○○°(真方位)、流速○○ノットの海流がある」

→ 実航磁針路、実速力、特定灯台の正横距離、特定時刻の予想位置(緯度・経度)を求める。

海図上でのベクトル作図が必要な問題なので、三角定規とディバイダーを使った作図練習を繰り返す以外に対策はありません。

 

㈢ クロス方位法またはレーダーを使った船位(12/14回)

2つの物標のジャイロコンパス方位から船位を求めるクロス方位法、ジャイロ方位+レーダー距離の組み合わせ、レーダーによる2物標の距離だけで求める方法(R8/7で出題)の3系統があります。

 

使用海図は完全交互(No.16 → No.15 → No.16 …)

直近14回の使用海図を見ると、No.16とNo.15が完全に交互で出題されています。

R5/4=16、R5/7=15、R5/10=16、R6/2=15、R6/4=16、R6/7=15、R6/10=16、R7/2=15、R7/4=16、R7/7=15、R7/10=16、R8/2=15、R8/4=16、R8/7=15

→ 次回R8/10はNo.16が確定的です。試験用海図を購入するときの参考にしてください。

なお、⊕の座標は毎回変わります(R8/7のNo.15は30°N、145°E)。海図の号数は読めても座標までは読めないので、そこは本番で確認してください。

 

海図問題の練習手順

海図問題は暗記では対処できないので、実際に手を動かす練習が必須です。以下の手順で進めてください。

用意するもの
→ 試験用海図(No.15またはNo.16)、三角定規(2枚1組)、ディバイダー、鉛筆(Bまたは2B)、消しゴム

練習の進め方
→ 最初は問題集の解説を見ながら、手順どおりに作図する。道具の扱いに慣れることが最優先
→ 慣れてきたら解説を閉じて、自力で作図→答え合わせ
→ 6回分以上の過去問を実際に海図上で解く。手が勝手に動くレベルまで繰り返すのが目標

筆者が海技士筆記を受けたとき、最初に苦労したのは道具の扱いでした。三角定規とディバイダーの操作がぎこちないうちは、正しい手順を知っていても作図に時間がかかります。最初は問題集を見ながらでいいので、まず「道具を使って線を引く」こと自体に慣れてください。6回分くらい解くと手が覚えてきます。

海図が苦手で心が折れそうになっても、受験自体を諦める必要はありません。大問1(航海計器)と大問3(航路標識)は暗記で確実に取れる範囲なので、そこを固めたうえで海図は部分点を拾いにいく戦略でも合格ラインには届きます。ただし海図は配点100点あるので、完全に捨てるのはリスクが高いです。最低限「ジャイロ誤差」と「クロス方位法」の2題は解けるようにしておきましょう。

 

大問3:航路標識・潮汐

◆ ほぼ毎回出るテーマ

① 灯浮標の意味(図付き4択)

14回中11回出題。灯浮標の図が描かれており、「この灯浮標の意味として正しいものはどれか」を選ぶ問題です。

最も頻出なのは方位標識(黒+黄色の配色)。黒と黄の塗り分け位置と頭標の向きで、北・東・南・西のどちら側に可航水域があるかを判別します。安全水域標識は白/赤の縦縞で「航路の中央」を示し(R8/7で出題)、孤立障害標識は黒地に赤横帯・頭標は黒球2個です。

 

② クロス方位法・重視目標の選定(14/14回)

「沿岸航行中、クロス方位法により船位を求める場合の物標選定上の注意事項を3つ述べよ」「物標は2個よりも3個選ぶほうがよいといわれるが、なぜか」「重視目標の選定にはどのような注意が必要か。3つあげよ」(R8/7で出題)

14回すべてで何らかの形で出題されている超頻出テーマ。回答は以下を丸暗記してください。

→ できるだけ近距離の物標を選ぶ、方位線の交角が30°〜150°になるよう選ぶ(直角に近いほど良い)、海図上で位置が明確に特定できる物標を選ぶ、物標は2個よりも3個選ぶ方が精度が高い(三角形ができて誤差を確認できる)

 

③ 潮汐用語の説明(14/14回)

以下の用語から毎回出題されます。すべての定義を暗記しておきましょう。

潮時差、潮高比、最低水面(=日本における潮高の基準面)、大潮、小潮、月潮間隔、高潮と高潮(低潮と低潮)の間隔(約12時間25分)

R8/7は「標準港の当日の潮時に加減して、標準港以外の潮時を求めるための改正数=潮時差」「日本における潮高の基準面=最低水面」という、用語を逆から問う形式でした。

 

 

大問4:航海計算・船位測定法

◆ ほぼ毎回出るテーマ

① 平均速力の計算(8/14回)

「甲丸は0915にA地点を発し、287海里離れたB地点に翌日の0545に到着した。平均速力は何ノットか」(R8/7)

出発〜到着の所要時間(日をまたぐ場合に注意)を計算し、距離÷時間で求めるだけです。出題されない回は、代わりに「緯度○○から緯度○○まで何時間で達するか」という時間計算が入ります。速力・距離・時間の関係を問う枠は毎回1問あると考えてください。

 

② 変緯・変経の計算(毎回出題)

出発地と到着地の緯度・経度から変緯(緯差)と変経(経差)を求める問題、または出発地の緯度・経度に変緯・変経を加えて到着地を求める問題。

NとSをまたぐ場合、EとWをまたぐ場合の符号処理に注意。R8/7は「4°−28′N、177°−20′Wから3°−12′S、173°−05′Wまで」という、赤道をまたぐパターンでした。

 

 

運用(ウ)の頻出テーマと勉強法

ヒヨコくん
運用って範囲が広すぎない?
範囲は広いけど、問ごとにテーマの在庫は6〜8個しかない。その在庫を全部押さえれば、どれが来ても書ける
船員くん

 

大問1:船体構造・部材・整備

◆ ほぼ毎回出るテーマ

① トン数(ほぼ毎回)

排水トン数(排水量)、載貨重量トン数、載貨容積トン数、総トン数の定義がローテーションで出題されます。R8/7は「旅客または貨物の運送の用に供する場所の大きさ=総トン数」「船体によって排水される水の重さ=排水トン数」「航行の安全を確保できる限度内の最大積載量=載貨重量トン数」という、説明文からトン数名を答える形式でした。

 

② 船体構造の穴埋め問題

「鋼船の船体は、キールに直角な方向に一定間隔にフレームを置き、左右両舷のフレームの上端を【(1)】により連結し、この上に【(2)】が張られる。外板は……上から順次、【(3)】、船側外板、船底外板と呼ばれる。船底外板の湾曲部(ビルジ外板)には、船体の横揺れを軽減するため【(4)】が取り付けられる」

3回出題。この穴埋めの正解パターンは丸暗記してください。

 

③ 船首の形状・部材の役目

「船首の形状にはどのようなものがあるか。2つあげよ」→ 直立型船首、傾斜型船首(クリッパー型)、球状船首(バルバスバウ)から2つ。5回出題。

図付きで4種類の船首形状を示して名称を答える問題も3回出ています。

キール・船尾材・フレーム・ビーム・船首材・ビルジキールの「配置と役目」を述べさせる問題もローテーションで出題されます(R8/7はキール+船尾材)。

 

 

大問2:安定性・操船

◆ ほぼ毎回出るテーマ

① 復原力の減少場面・減少防止(7/14回)

「航海中に船の復原力が減少するのはどのような場合か。3つあげよ。また、復原力が減少すると船の横揺れはどのように変わるか」(減少場面パターン:4回/R8/7で出題)

「航海中、船の復原力の減少をできるだけ防止するため、(1)貨物の積付け (2)燃料油及び清水の消費 (3)上甲板の排水口 については、それぞれどのような注意が必要か」(減少防止パターン:3回)

この2パターンが交互に近い形で出ています。

→ 減少する場合:自由水の発生(タンク内液面の動揺)、高い位置への荷物の積み替え、重量物の甲板上への積載など。横揺れ:周期が長く、ゆっくりした揺れになる。

 

② 旋回圏の用語(6/14回)

「次の文にあてはまるものを選べ」という4択問題。旋回横距・旋回縦距・最大横距・旋回径・最終旋回径の定義を正確に区別する必要があります。

R8/7は「舵をとったときの船体重心点から、90°回頭したときの船体重心点までの原針路上の進出距離」=旋回縦距でした。R8/4は「原針路から180°回頭したときまでの横偏位距離」=旋回横距。

5つの用語を全部覚えれば、どの定義文が来ても確殺できます。

 

 

大問3:気象・海象

◆ ほぼ毎回出るテーマ

① 天気図型と日本の天気の特徴

冬型/夏型の名称を問う問題と、天気図の図を読み取って型・季節・高気圧名・風向・天気の違いを答える問題を合わせると7回出題。

冬型=西高東低型 → 日本海側は雪、太平洋側は晴れ、北西の季節風。夏型=南高北低型 → 高温多湿、太平洋高気圧の張り出し。

 

② 台風の経路・進路図問題

図付きで3つの典型的な台風経路が示され、各経路をとる時期(月頃)、転向点(進行方向が大きく変わるところ)の名称、転向前後の速度変化を問う形式(4回/R8/7で出題)。

また、台風中心の進路図上にA〜Fの地点が示され、各地点での風向の変化や強い風の方向を問う形式も3回出題されています。

→ ①は7〜8月頃の西進型、②は8〜9月頃の放物線型、③は秋の北上型。転向点は「転向点」または「再帰点」。転向前はゆっくり、転向後は速くなる。

 

③ 雲の特徴・霧の種類

雲の特徴3つを枠内(乱層雲・積乱雲・高積雲・巻層雲)から選ぶ問題が2回(R8/7で出題)、巻雲の説明を選ぶ4択が2回。霧は「種類3つをあげよ」の記述と、移流霧・放射霧を選ぶ4択が出ます。

 

 

大問4:運用・当直・安全

◆ ほぼ毎回出るテーマ

① ちちゅう法と順走法(8/14回)

「洋上を航行中、荒天のため目的港への航走を続けることが困難となった場合、天候が回復するまでの間、船の安全を保つためにはどのような方法をとればよいか。2つの方法をあげ、それぞれについて説明せよ」

5級運用の最頻出テーマです。ただしR8/7では出題されませんでした。R7/4・R7/10も出ていないので、「毎回必ず出る」ではなく「2回に1回以上出る」という理解が正確です。

→ ちちゅう法:舵の効く程度に機関を前進微速とし、船首2〜3点から風浪を受けるように操船する方法。
→ 順走法:船尾2〜3点から風浪を受けて、荒天区域から逃れる方法。

この2つの説明は一字一句まで書けるレベルに暗記してください。出題されなかった回でも、荒天関連の別テーマ(びょう泊中・岸壁係留中の措置など)が必ず入ります。

 

② 荒天時の措置(びょう泊中・岸壁係留中)

「荒天が予想されるとき、船舶が次の(1)及び(2)の場合には、それぞれどのような措置が必要か。(1)びょう泊中 (2)岸壁係留中」3回出題(R8/7で出題)。

 

③ 航海日誌の記入

「記入に際して特に注意すべき点」(3回/R8/7で出題)と「書き誤りをしたときの処理方法」(2回)の2パターン。

 

 

法規(ホ)の頻出テーマと勉強法

ヒヨコくん
法規って条文の丸暗記が必要?
条文の一字一句を暗記する必要はない。趣旨を理解して自分の言葉で書ければOK。しかも法規は出題パターンが一番はっきりしてるから、ポイントを絞れば効率よく点が取れるよ
船員くん

 

法規は大問3題構成で、各大問が異なる法律をカバーしています。

 

大問1:海上衝突予防法

◆ ほぼ毎回出るテーマ

① 灯火及び形象物の図問題(14/14回)

毎回3パターンの灯火・形象物の図が示され、「それぞれどのような船舶のどのような状態を表すか」を答える問題。14回すべてで出題。5級法規で唯一の「完全確定枠」です。

白灯(○)、紅灯(斜線○)、緑灯(×○)、形象物(●)の組み合わせで船の状態を判別します。

よく出るパターン:航行中の動力船(マスト灯+舷灯+船尾灯)、錨泊中の船舶(白灯2個)、運転不自由船(紅灯2個+舷灯+船尾灯)、漁ろうに従事している船舶、引き船(マスト灯2個or3個)、鼓形形象物(喫水制限船)など。

灯火の配置パターンは図で覚えるのが一番効率がいいです。過去問の図をコピーして何度も見返しましょう。

 

② 安全な速力の考慮事項(5/14回)

「レーダーを使用していない船舶が、『安全な速力』を決定するに当たり特に考慮しなければならない事項として、次の(1)及び(2)のほかどのような事項があるか」

除外される(1)(2)は回によって変わりますが、回答の選択肢は同じです。R8/7は「視界の状態」「船舶交通のふくそうの状況」を除外するA型でした。

→ 視界の状態、船舶交通のふくそうの状況、自船の停止距離・旋回性能その他の操縦性能、自船の喫水と水深との関係、夜間における陸岸の灯火・自船の灯火の背景灯火の存在など。

 

③ 横切り船・行会い船・追越し船の航法

3つの航法がローテーションで出ます。R8/7は横切り船(避航船・保持船の段階的義務を4問セットで)でした。

保持船の段階的義務(疑いがあるときの信号→単独動作→最善の協力動作)は、どの航法でも問われる可能性があるので確実に押さえてください。

 

 

大問2:海上交通安全法・港則法

大問2は海上交通安全法と港則法が1題ずつ。どちらが㈠に来るかは回によって入れ替わります(14回中、海交法が先=8回、港則法が先=6回)。順番に法則はないので、両方準備しておくしかありません。

 

◆ 海上交通安全法の頻出テーマ

① 浦賀水道航路の航法

「この航路に沿って航行するときは、どのように航行しなければならないか」→ できる限り航路の中央から右の部分を航行する。

「航路を横断する場合を除き、何ノットを超える速力で航行してはならないか」→ 対水速力12ノット。2回出題(R8/7で出題)。速力が対地か対水かまで問われるので注意。

 

② 航路の全区間航行義務船舶

「航路の付近にある国土交通省令で定める2地点間を航行しようとするとき、航路の全区間又は一部区間を航行しなければならない船舶」→ 長さ50メートル以上の船舶。3回出題。

 

③ 巨大船との行会い→航路外待機指示の航路名

3回出題。答えは伊良湖水道航路(巨大船と長さ130m以上の船舶)、水島航路(巨大船と長さ70m以上の船舶)。なお、視程悪化など別の理由による航路外待機指示の対象航路(浦賀水道・中ノ瀬・来島海峡など)とは別の規定なので混同しないこと。

 

 

◆ 港則法の頻出テーマ

① 航路内での行き会い・同航(4/14回)

「航路を航行している船舶が、次の(ア)及び(イ)の場合にそれぞれ守らなければならない航法規定を述べよ。(ア)航路内において他の船舶と行き会う場合 (イ)航路内において前方に他の船舶が同航している場合」(R8/7で出題)

→ (ア)右側を航行する (イ)前方の船舶を追い越してはならない

 

② 航路内での投びょう等が認められる場合(4/14回)

「船舶が航路内で投びょうし、又はえい航している船舶を放すことが認められるのは、どのような場合か。3つ述べよ」

→ 海難を避けようとするとき、運転の自由を失ったとき、人命又は急迫した危険のある船舶の救助に従事するとき。5級では主にこの3つが問われます(条文上はこのほか港長の許可を受けた工事・作業もあり)。

 

③ 港内の防波堤等付近の航行方法(4/14回)

→ 右げんに見て航行するときはできるだけこれに近寄り、左げんに見て航行するときはできるだけこれに遠ざかって航行しなければならない。

 

 

大問3:船員法・船員労働安全衛生規則・海洋汚染防止法

大問3は㈠が海上衝突予防法、㈡が船員法、㈢が船員労働安全衛生規則、㈣が海洋汚染防止法という固定の並びです。どの法律から出るかが読めるので、対策しやすい大問です。

 

◆ ほぼ毎回出るテーマ

① 油記録簿(7/14回)

㈣の最頻出テーマです。出題パターンは以下の3問セットか、正誤問題です。

「油記録簿への記載は、通常、誰が行うか」→ 油濁防止管理者(油濁防止管理者が選任されていない船舶では機関長)

「油記録簿は、いつから、何年間船舶内に保存しておかなければならないか」→ 最後の記載をした日から3年間

「上記の事項を規定している法規名を記せ」→ 海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律

 

② 安全担当者・衛生担当者の業務(13/14回)

㈢はほぼ毎回ここから出ます。安全担当者の業務を問う形式が7回、衛生担当者が3回、安衛則全般の4択が2回、(A)(B)正誤判定が1回。

安全担当者の業務:作業設備及び作業用具の点検及び整備、消火器具の点検及び整備、発生した災害の原因の調査など

衛生担当者の業務:食料及び用水の衛生保持、医薬品その他の衛生用品の管理、負傷又は疾病が発生した場合の応急措置など

安全担当者と衛生担当者の業務を混同しないように注意。

なおR8/7では、これまでになかった(A)(B)正誤形式(「床面上3メートルの高さで墜落のおそれがある場所の作業は高所作業にあたる」の正誤)が出題されました。担当者業務だけでなく、高所作業の定義や管系の識別表示といった条文全般に範囲が広がっている可能性があります。

 

③ 海洋汚染防止法の用語定義(5/14回)

「廃棄物」→ 人が不要とした物(油、有害液体物質等及び有害水バラストを除く)

「ビルジ」→ 船底にたまった油性混合物

R8/7はこの記述型でした。R8/4は「危険物・廃棄物・排出・ビルジ」の4択で誤りを選ばせる形式。記述でも4択でも書けるようにしておけば確殺できます。

 

 

計算問題の解き方【過去問で実践】

ヒヨコくん
計算問題って公式を覚えるだけじゃダメなの?
公式自体は単純だけど、符号の処理や日またぎの時間計算でミスする人が多い。実際の過去問で流れを確認しておこう
船員くん

 

① 自差の計算(磁気コンパス)

5級航海で最も出る計算問題です。コンパス方位・磁針方位・真方位の関係を正確に理解してください。

 

◆ 基本の関係式

コンパス方位(C)+ 自差(Dev)= 磁針方位(M)

磁針方位(M)+ 偏差(Var)= 真方位(T)

自差・偏差の符号:E(東偏)は+、W(西偏)は−

 

◆ 例題1:自差表からの換算

【R8年2月期 航海 大問1】下表は甲丸の磁気コンパスの自差表である。

船首方位:000° → 自差 2°E / 045° → 5°E / 090° → 6°E / 135° → 3°E / 180° → 1°W / 225° → 4°W / 270° → 7°W / 315° → 4°W

(1) 甲丸はコンパス針路270°で航行中、灯台のコンパス方位を302°に測った。この灯台の磁針方位は何度か。

 

【解き方】

手順1:船首方位270°のときの自差を表から読む → 自差 7°W = −7°

手順2:コンパス方位に自差を加える

磁針方位 = コンパス方位 + 自差
= 302° +(−7°)
= 295°

→ 答え:磁針方位 295°

 

 

 

 

② 平均速力の計算

ほぼ毎回出題される基本計算。ポイントは日をまたぐ場合の所要時間の計算です。

 

◆ 基本公式

速力(ノット)= 距離(海里)÷ 時間(時間)

 

◆ 例題5

【R8年7月期 航海 大問4】甲丸は0915にA地点を発し、287海里離れたB地点に翌日の0545に到着した。甲丸がこの間を直行したものとすると、その平均速力は何ノットか。

 

【解き方】

手順1:所要時間を求める

0915 → 翌日0545

当日の残り時間:2400 − 0915 = 14時間45分
翌日の時間:0545 = 5時間45分
合計:14時間45分 + 5時間45分 = 20時間30分 = 20.5時間

手順2:速力 = 287 ÷ 20.5 = 14ノット

→ 答え:14ノット

 

 

③ 変緯・変経の計算

出発地と到着地の緯度・経度の差を求める問題、またはその逆。NとSまたぎ、EとWまたぎの処理がポイントです。

 

◆ 基本ルール
変緯(緯差):同じ半球なら引き算、N↔Sまたぎなら足し算
変経(経差):同じ半球なら引き算、E↔Wまたぎなら足し算

方向の表記:北へ移動 → N、南へ移動 → S、東へ移動 → E、西へ移動 → W

 

◆ 例題7:赤道をまたぐパターン

【R8年7月期 航海 大問4】乙丸は、4°−28'N、177°−20'Wの地点から3°−12'S、173°−05'Wの地点まで航走した。変緯(緯差)と変経(経差)を求めよ。

 

【解き方:変緯】

出発:4°28'N → 到着:3°12'S

N→Sまたぎなので足し算:
4°28' + 3°12' = 7°40'

方向:NからSへ移動しているので S

→ 変緯:7°40' S = 460' S

 

【解き方:変経】

出発:177°20'W → 到着:173°05'W

どちらもW(同じ半球)なので引き算:
177°20' − 173°05' = 4°15'

方向:西経の数値が小さくなる=東へ移動しているので E

→ 変経:4°15' E = 255' E

 

 

 

④ 赤道到達時間の計算

南緯(または北緯)の地点から真針路000°/180°で航走して赤道に到達するまでの時間を求める問題。

 

◆ 基本の考え方

真針路000°(真北)で航走 → 経度は変わらず、緯度だけ変化。
緯度1分 = 1海里なので、出発地の緯度(分単位)÷ 速力 = 所要時間。

 

◆ 例題10

【R6年4月期 航海 大問4】速力14ノットの船が、緯度4°−05'Sの地から真針路000°で航走すると、何時間で赤道に到達することができるか。

 

【解き方】

手順1:出発地から赤道までの距離

4°05'S → 0°(赤道)= 4°05' = 4×60 + 5 = 245海里

手順2:所要時間

245 ÷ 14 = 17.5時間

→ 答え:17時間30分(17.5時間)

 

⑤ 赤道上の東西航走(経度の計算)

赤道上の地点から真針路090°(真東)または000°(真北)で航走した後の到着地を求める複合問題。

 

◆ 例題11

【R5年10月期 航海 大問4】速力13ノットの船が、経度178°Eの赤道上の地点を発し、真針路090°で11時間航走し、それから真針路000°で13時間航走した。到着地の緯度、経度を求めよ。

 

【解き方:第1区間(東へ)】

赤道上を真東に航走 → 緯度は変わらず、経度が変わる。

赤道上では経度1分 = 1海里(赤道上のみ成り立つ関係)

航走距離 = 13ノット × 11時間 = 143海里 = 143'(2°23')東へ

経度 = 178°00'E + 2°23' = 180°23'

180°を超えたので、日付変更線(180°)を超えた分をWに変換:

360° − 180°23' = 179°37'W

 

【解き方:第2区間(北へ)】

真針路000°で13時間航走 → 経度変わらず、緯度が変わる。

航走距離 = 13ノット × 13時間 = 169海里 = 169' = 2°49'N

緯度 = 0°(赤道)+ 2°49' = 2°49'N

→ 到着地:2°49'N、179°37'W

 

⑥ ワイヤロープの破断力と安全使用力

◆ 公式

破断力(kgf)= 直径(mm)² × 係数

安全使用力 = 破断力 × 1/6

係数はワイヤロープの種類によって異なり、問題文で与えられます。

 

◆ 例題12

【R5年7月期 運用 大問4】直径18mmのワイヤロープ(係数2.0)の安全使用力はいくらか。ただし、安全使用力は破断力の1/6とする。

 

【解き方】

手順1:破断力 = 18² × 2.0 = 324 × 2.0 = 648 kgf

手順2:安全使用力 = 648 × 1/6 = 108 kgf

→ 答え:108 kgf

 

 

計算問題のまとめ

  • 自差の計算:E=+、W=−の符号を間違えない。「コンパス方位+自差=磁針方位」を確実に
  • 平均速力:「分」を「時間」に変換(÷60)、日またぎの時間計算に注意
  • 変緯変経:同じ半球→引き算、またぎ→足し算。180°超えたら360°から引いて反転
  • 赤道到達:緯度1分=1海里。赤道上では経度1分=1海里
  • ワイヤロープ:直径²×係数=破断力、破断力×1/6=安全使用力

 

前回予想の的中レビュー【R8年7月期】

ヒヨコくん
前に書いてた予想、当たったの?
当たったところも外したところも全部出す。当てた自慢だけして外れを隠すなら、予想なんて書く意味がない
船員くん

 

前回この記事に載せていたR8年7月期の予想と、実際の出題を1小問ずつ突き合わせました。判定は🟢完全的中/🟡半ば的中(同系統だが設問の形が違う・本文の頻出テーマ欄には書いていた)/🔴外れの3段階です。

 

◆ 配点ベースの成績

海図の3小問(毎回同じ構成なのでテーマ予想の対象外)を除いた1,000点分で集計すると、次のようになりました。

R8/7 予想成績

  • 🟢 完全的中:425点/1,000点(約43%)
  • 🟡 半ば的中:183点(約18%)
  • 🔴 外れ:392点(約39%)
  • 🟢+🟡で約61%

 

科目別の判定

◆ 航海(コ):300点中 🟢192点

箇所 記事の予想 R8/7の実出題 判定
問1㈠ 自差曲線(本命)/部品の役目 部品の役目6択 🟢
問1㈡ ジャイロコンパス等 ノンフォローアップ操舵 🔴
問1㈢ レーダーの映像鮮明化調整4つ レーダー調整4つ 🟢
問1㈣ 電磁ログの汚れ・付着 電磁ログの汚れ・付着 🟢
問2 使用海図はNo.15が確定的 No.15 🟢
問3㈠ 灯浮標の意味が復活する 灯浮標(白/赤)+利用上の注意 🟢
問3㈡ 潮汐用語の説明に戻る 潮時差/潮高の基準面 🟢
問3㈢ 物標選定上の注意3つ 重視目標の選定3つ 🟡
問4㈠ 平均速力の復活 平均速力 🟢
問4㈡ (毎回枠として本文に記載) 変緯・変経 🟡
問4㈢ ランニングフィックス ランニングフィックス 🟢
問4㈣ 1物標で船位/レーダーのみ3つ トランシットの利用2つ 🔴

航海は大問1の㈢㈣、大問3、大問4がほぼ予想どおり。海図の号数も的中しました。

 

◆ 運用(ウ):400点中 🟢33点

箇所 記事の予想 R8/7の実出題 判定
問1㈠ 構造穴埋め/船体断面図 キール・船尾材の配置と役目 🔴
問1㈡ (毎回枠として本文に記載) トン数3つ 🟡
問1㈢ 塗装作業/海藻貝類の付着 一般配置図 🔴
問2㈠ 復原力の減少場面3つ 復原力の減少場面3つ 🟢
問2㈡ (鉄板テーマとして本文に記載) 旋回縦距の4択 🟡
問2㈢ 最短停止距離/船首いかり びょう鎖の切断防止 🔴
問3㈠ 天気記号/台風の前兆 台風の経路3つ 🔴
問3㈡ アネロイド気圧計 気象観測(気圧計・風速) 🟡
問3㈢ 霧の種類3つ 雲の特徴3つ 🔴
問4㈠ ちちゅう法・順走法(毎回出る前提) 荒天時のびょう泊中・岸壁係留中 🔴
問4㈡ 当直引継ぎ/転落者 航海日誌の記入注意 🔴
問4㈢ 船内火災/衝突時の措置 ワイヤロープ切断原因3つ 🔴

運用はほぼ全滅でした。特に「ちちゅう法・順走法は毎回出ると思って準備」と書いておきながら、R8/7では出題なし。ここが最大の失敗です。

 

◆ 法規(ホ):300点中 🟢200点

箇所 記事の予想 R8/7の実出題 判定
問1㈠ 横切り船の航法 横切り船の航法4問 🟢
問1㈡ 安全な速力の考慮事項 安全な速力(A型) 🟢
問1㈢ 灯火・形象物の図(確実に出る) 灯火・形象物の図 🟢
問2㈠ 航路の速力制限(浦賀水道ほか) 浦賀水道の航法+追越し汽笛 🟢
問2㈡ 航路内投びょう/防波堤付近 航路内の行会い・同航/入港届 🔴
問3㈠ (本文の頻出テーマ欄に記載) コンパス方位に変化がある場合 🟡
問3㈡ 海難報告に提示する書類 海難報告の書類4択 🟢
問3㈢ 衛生担当者の業務 安衛則(A)(B)正誤(新形式) 🔴
問3㈣ 廃棄物・ビルジの定義(記述型) 廃棄物・ビルジの定義 🟢

法規は大問1が3問とも的中。大問3も㈡㈣を当てました。

 

なぜ外したのか

外れの原因を整理すると、3つに分類できました。

① 「毎回出る」と決めつけた(運用 大問4)

ちちゅう法・順走法は14回中8回の出題ですが、R7/4・R7/10と2回続けて出ない期間がすでにありました。それを見落として「毎回出る前提で準備」と書いたのが誤りです。8/14=「2回に1回」であって「毎回」ではありません。

② 運用は候補の在庫が多すぎて絞りきれていない

運用は問ごとにテーマ在庫が6〜8個あります。そこから3〜4個だけ挙げても、当たる確率は半分以下。絞るより「在庫を全部リスト化して全部やる」方が正しい戦略でした。

③ 前例のない新形式が毎回1〜2問入る

法規 大問3㈢の(A)(B)正誤(床面上3メートル=高所作業)は、過去14回に前例がありません。どんなに予想しても、毎回1〜2問は初見の問題が入ると割り切る必要があります。

 

次回予想での改訂点

上の反省をふまえて、R8/10の予想は次のように作り方を変えました。

→ 「毎回出る」と書くのは14回中12回以上のテーマだけに限定する
→ 各候補に「出題回数」と「何回空いているか」を必ず併記する
→ 直近2回で出たテーマは除外する(この除外ルール自体は今回よく機能した)
→ 運用は候補を絞らず、問ごとの在庫リストを丸ごと提示する

 

次回試験の出題予想【R8年10月期】

予想の前提

この予想は直近14回分の過去問パターンに基づく分析であり、出題を保証するものではありません。毎回1〜2問は前例のない新形式が入ります。予想に賭けすぎず、各科目50%を割らない基礎固めを先に完成させることを最優先にしてください。
最終更新:2026年9月(R8年7月期の出題を反映)

 

航海(コ)の予想

◆ 大問1㈠ 磁気コンパス

→ 最有力:自差曲線からの読み取り(3回出題・3回空き)。直近2回が図示型と部品型だったので、計算型が来る番
→ 次点:自差表からの読み取り(2回出題・2回空き)
→ 3番手:鉄器類の影響+気泡の除去(1回出題・7回空き)/断面図の部品名称(1回出題・8回空き)

◆ 大問1㈡〜㈣ 航海計器

→ 最有力:音響測深機の「感度を上げすぎた場合」「2回3回反射線の底質」(4回空き)
→ 次点:GNSS(GPS)航法装置の誤りを選ぶ4択(3回空き)/ジャイロコンパス航行中の注意2つ(2回空き)/AISが取得できる他船の情報3つ(2回空き)
→ 除外:ノンフォローアップ操舵・レーダー調整・電磁ログ(R8/7で出題済み)

◆ 大問2 海図

→ 使用海図はNo.16が確定的(14回連続の完全交互)
→ 構成は毎回同じ(ジャイロ誤差+実航磁針路・実速力+船位決定)

◆ 大問3

→ ㈠最有力:方位標識(黒/黄)の灯浮標4択(3回空き)+レーダービーコン・導灯の名称(4回空き)
→ ㈡最有力:太陽・地球・月の図から大潮小潮の月の位置(4回空き)/高潮と高潮の間隔+潮時潮高を知る必要がある場合4つ(3回空き)
→ ㈢最有力:クロス方位法の物標選定上の注意3つ(3回空き)。次点は三角形ができた場合の処理(6回空き)、方位測定時間が短い方がよい理由(8回空き)

◆ 大問4

→ ㈠㈡最有力:赤道到達時間の計算(4回空き)/赤道上の東西航走(5回空き)。変緯変経は毎回枠
→ ㈢最有力:1つの物標で船位を測定する方法2つ(5回空き)。次点はレーダーのみで船位3つ(3回空き)、レーダーの物標選定4つ(2回空き)
→ ㈣最有力:船首目標(図示+左右どちらに偏しているか)(4回空き)/航海計画で海図に記載すべき事項4つ(2回空き)

 

運用(ウ)の予想

運用は前回の反省から、候補を絞らず「問ごとの在庫リスト」として出します。ここに挙げたものを全部書けるようにすれば、どれが来ても対応できます。

◆ 大問1(船体構造)

→ 最有力:船体断面図ア〜カの名称+縦強度部材(5回空き)/構造の穴埋め問題(4回空き)
→ 次点:塗装作業の下地と時機(3回空き)/海藻・貝類の付着箇所(4回空き)/フレーム番号の基準と付け方(4回空き)/船底塗料の種類2つ
→ 毎回枠:トン数(形を変えて必ず出る)

◆ 大問2(安定性・操船)

→ ㈠最有力:トリム(船首トリムの短所・船尾トリム過大の支障・等喫水)(4回空き)/荒天時の大舵角の危険(1)(2)(5回空き)
→ ㈡最有力:旋回圏4択「転舵してから一定の円運動をするようになったとき描く円の直径」=最終旋回径(4回空き)/プロペラの横圧力(5回空き)
→ ㈢最有力:最短停止距離(12回空き)/小回り回頭にいかりを利用する場合(4回空き)/一軸右回り船の横付け操船(1回空き)

◆ 大問3(気象)

→ 最有力:霧の種類3つ(4回空き)/冬型(西高東低型)の天気の特徴(4回空き)/天気記号(日本式)を記せ(4回空き)
→ 次点:視程に関する4択の誤り(6回空き)/台風の来襲前兆5つ(10回空き)/高気圧圏内の風と天気(4回空き)
→ 除外:台風の経路3つ・雲の特徴3つ・気象観測(R8/7で出題済み)

◆ 大問4(運用・当直・安全)

→ 最有力:ちちゅう法・順走法(8回出題・1回空き)。前回外しましたが、14回中8回の最頻出であることは変わりません
→ 次点:沿岸航行中の視界不良時の処置6つ(6回空き)/当直引継ぎ事項6つ(5回空き)/荒天準備の閉鎖箇所4つ(5回空き)
→ 3番手:衝突時の措置4つ(10回空き)/転落者への対応(3回空き)/船内火災の防止・拡大防止(3回空き)/夜間見張りの注意3つ(3回空き)

 

法規(ホ)の予想

◆ 大問1(海上衝突予防法)

→ ㈢は灯火・形象物の図で確定(14回連続)
→ ㈠最有力:行会い船の航法(1)(2)(3)(6回空き)/狭い水道等の航法(5回空き)/視界制限状態の動力船(4回空き)
→ ㈡最有力:汽笛信号(長音1回・長音1回+短音3回・オレンジ色の煙)(7回空き)/狭水道の動力船と漁ろう船(6回空き)/灯火の表示時間(5回空き)

◆ 大問2(海交法・港則法)

→ 海交法の最有力:瀬戸内海の航路略図問題(3回空き)/備讃瀬戸東航路の航法(5回空き)/来島海峡の潮流信号所3つ(4回空き)/航路の横断方法(6回空き)
→ 港則法の最有力:航路内の投びょう等が認められる場合3つ(4回出題・2回空き)/防波堤等の突端付近の航行方法(3回空き)/危険物積載船の入港手続(5回空き)/特定港の航路によらなければならない船舶(4回空き)

◆ 大問3(船員法等)

→ ㈣最有力:油記録簿の3問セット(記載者・保存期間・法規名)(5回空き)。2回続けて出ていないので復活濃厚。次点は油等の排出・海上火災時に船長がとる措置(4回空き)
→ ㈢最有力:衛生担当者の業務3つ(2回空き)/安衛則の正しいものを選ぶ4択(3回空き)/舷外作業の安全確保(13回空き)
→ ㈡最有力:年齢18年未満の夜間労働4択(2回空き)/船長の在船義務(7回空き)/船員手帳への記載(6回空き)/他船の遭難を知ったときの措置(5回空き)
→ ㈠:視界制限状態で最小限度の速力に減じる場合(3回空き)/汽笛信号2つ(9回空き)

 

予想に挙がっていないテーマでも、上の頻出テーマ分析で「ほぼ毎回出る」に分類されているものは必ず準備してください。予想パートだけ読んで範囲を絞りすぎると、逆に取りこぼしが増えます。

 

乗りながら勉強する人への最短ルート

ヒヨコくん
乗船中って机に向かう時間ないんだけど……
5級は「書いて覚える」より「答えを言えるようにする」が先。ワッチの合間でも進められる順番があるよ
船員くん

 

5級は出題パターンの繰り返しがはっきりしているため、短期集中で仕上げることが可能です。目安は2〜4週間。過去問3年分を2周できれば合格ラインに届きます。

乗船しながら勉強する場合は、次の4ステップで進めてください。

 

ステップ1(1〜4日目):定型回答を丸暗記する

5級の記述問題の多くは、毎回ほぼ同じ回答で対応できるパターン問題です。以下のテーマは回答を丸暗記して、試験本番で「見た瞬間に書ける」状態にしてください。

→ ちちゅう法と順走法の説明(運用)
→ クロス方位法・重視目標の選定注意事項(航海)
→ 潮汐用語の定義(航海)
→ 航路内投びょう等が認められる場合3つ(法規)
→ 油記録簿の記載者・保存期間・法規名(法規)
→ 安全担当者と衛生担当者の業務の区別(法規)
→ 復原力の減少場面3つ+横揺れの変化(運用)
→ 廃棄物とビルジの定義(法規)

この8テーマだけで、3科目合わせて全体の2〜3割のカバーが可能です。机がなくても、参考書を読んで頭の中で答えを言えればいいので、ワッチの合間で進められます。

 

ステップ2(5〜7日目):図で覚えるテーマを潰す

→ 灯火・形象物のパターン(法規)→ 過去問の図をコピーして繰り返し見る
→ 灯浮標の配色パターン(航海)→ 色と形で分類して覚える
→ 旋回圏の用語(運用)→ 図を描いて位置関係を理解する
→ 船首の形状・船体断面図の部材(運用)

図は眺めるだけでは入りません。紙の隅でいいので、自分で描き直すと一気に定着します。

 

ステップ3(8日目):計算問題の公式を確認

→ 平均速力=距離÷時間(日またぎの時間計算に注意)
→ 変緯=到着地の緯度−出発地の緯度(NとSまたぎに注意)
→ 変経=到着地の経度−出発地の経度(EとWまたぎ・180°超えに注意)
→ 赤道到達時間=緯度(分)÷速力
→ ワイヤロープの破断力=(直径mm)²×係数、安全使用力=破断力×1/6

計算問題自体は複雑ではありません。公式を覚えて、単位換算と符号処理でミスしないよう練習しておけば確実に得点できます。

 

ステップ4(9〜14日目):過去問を「4〜11回前」中心に3周

ここが本番です。記事の前半で書いたとおり、直近2回は1周だけ、その前の回を厚くやるのが鉄則です。

→ 1周目:解けるか解けないかの仕分け。解けない問題に印をつけるだけでいい
→ 2周目:印をつけた問題だけを潰す
→ 3周目:時間を計って本番と同じ条件で通す

海図問題(航海 大問2)だけは暗記が効かないので、陸に上がれる期間に集中して6回分以上を作図してください。試験用海図と三角定規・ディバイダーは、乗船前に買っておくと無駄がありません。

 

筆者が海技士筆記を受けたときは、乗船中と休暇中の両方を使って約2週間・1日4時間ペースで仕上げました。過去問3年分を2周したあたりで、問題を見た瞬間に答えが出てくる状態になります。そこまで行けば本番で焦ることはありません。

 

記述式答案の「書き方」を固める

5級の筆記は全科目が記述式ですが、長文を書く試験ではありません。参考書の模範解答をそのまま暗記して書ければ一番確実ですが、一字一句同じでなくても、要点が入っていれば点はもらえます。

得点しやすい書き方のコツ
→ 「3つあげよ」なら①②③と番号で分けて書く。1文に詰め込むより、採点者が数えやすい形の方が安全
→ 定義を問われたら、核となるキーワードを最初の1文に入れる
→ 知らない問題が出ても、関連知識で部分点を狙う。白紙で出すのが一番もったいない

 

◆ 答案の実物イメージ|このくらい書ければ十分

たとえば「クロス方位法の物標選定上の注意事項を3つ述べよ」という問題なら、次のように書ければ十分です。

① できるだけ近距離の物標を選ぶ。
② 方位線の交角が30°〜150°となるように選ぶ。直角に近いほどよい。
③ 海図上で位置が明確に分かる物標を選ぶ。

番号を振って、1項目を1文で切るだけで読みやすくなります。逆に、3つの要素を1文にまとめると、自分では書いたつもりでも採点上は数えにくくなります。記述式は長く書く試験ではなく、必要な要点を数えやすい形で落とす試験です。

 

試験当日の過ごし方

当日の持ち物チェックリスト

  • 受験票(忘れたらめんどくさい)
  • 筆記用具(鉛筆・シャープペン・消しゴム)
  • 海図用具(三角定規2枚・ディバイダー・鉛筆B or 2B)
  • 時計(会場に時計がない場合あり)
  • 暗記用ノート(休憩時間の見返し用)

 

会場には30分前には着いておきましょう。早く着いても損はありません。

休憩時間に見返すのは、暗記系の問題(定型回答・灯火パターン・用語定義)に絞るのが鉄則です。海図や計算は休憩中にやっても焦るだけなので、ここまでの練習を信じてください。

 

◆ よくある失点パターン

→ 自差計算のE/W符号の逆転(最多のケアレスミス)
→ 平均速力の日またぎ時間計算ミス
→ 変緯変経のN↔S、E↔Wまたぎで足し算と引き算を間違える
→ 「3つあげよ」に2つしか書かない(設問数の書き漏れ)
→ 海図の作図で線を間違えたまま進む(消して引き直す勇気)

本番で落ちる人は、知らない問題より知っている問題の取りこぼしが原因です。上のリストを試験直前にもう一度見返してください。

 

筆記合格後の流れ

筆記に合格しても、それだけで免状が届くわけではありません。ここから先の流れも先に知っておくと、スケジュールを組みやすくなります。

 

筆記合格から免状交付まで

  • 身体検査:視力・聴力・色覚など。口述試験と同じ日に行われるのが一般的
  • 口述試験:筆記の結果発表後に実施。乗船履歴が必要
  • 必要な講習:級と用途に応じて受講
  • 免状の申請:地方運輸局へ。登録免許税が必要

 

筆記合格には有効期間があります。合格したまま口述を放置すると期限切れになるので、筆記に受かった時点で口述の日程と乗船履歴の要件を確認しておきましょう。

 

まとめ

この記事のポイント

  • 5級海技士の筆記試験は航海・運用・法規の3科目。すべて記述式
  • 過去問は「直近2回を飛ばして、その前」を厚くやる。R8/7の再出題は平均7回前からだった
  • 航海:磁気コンパス・クロス方位法・潮汐用語が超頻出。海図はNo.15とNo.16の完全交互で、次回R8/10はNo.16
  • 運用:問ごとの在庫が6〜8個。絞らず全部押さえるのが正解。ちちゅう法・順走法は「毎回」ではなく「2回に1回」
  • 法規:灯火・形象物の図は14回連続で出題。油記録簿・担当者の業務は丸暗記で確実に取れる

 

◆ この記事を読んだあと、最初にやること3つ

① 国土交通省のサイトから過去問を14回分ダウンロードして、古い回から順に並べる
② ステップ1の8テーマの定型回答を、参考書から書き写して1枚にまとめる
③ 試験用海図(次回はNo.16)と三角定規・ディバイダーを注文する

この3つが終われば、あとは手を動かすだけです。

 

5級海技士は船員キャリアの第一歩です。出題パターンを把握して効率よく勉強すれば、合格は十分に手の届く目標です。

 

 

5級を取った後は、4級または3級へのステップアップが視野に入ります。どちらを目指すかで勉強の方向性が変わるので、先に違いを把握しておくのがおすすめです。

 

4級へのステップアップを考えている方には、4級筆記の過去問分析をまとめたnote記事もあります。

4級海技士(航海)筆記試験の過去12回分を横断分析。出題頻度データベース・天測全12問の解答・スマホ暗記アプリ「フネアンキ」(全234問)を収録しています。
→ 4級海技士(航海)筆記試験|過去12回分析・天測全12問解答・スマホ暗記アプリ付き

 

筆記に合格したら、次に待っているのは口述試験です。4級の口述は合格率約32%と意外に厳しく、「何を聞かれるか分からない」不安が最大の壁になります。

 

※この記事は過去問14回分(2023年4月期〜2026年7月期)の分析に基づいて構成しています。出題傾向は変更される場合があるため、最新の試験情報は国土交通省・地方運輸局の公式情報をご確認ください。

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