自炊の船とは?
内航船には自炊をしなければならない船と、自炊をしなくてもいい船があります。
自炊をしなくてもいい船には大抵、司厨長(しちゅうちょう)や司厨員(しちゅういん)と呼ばれる役職の船員が乗ってます。
漁船ではコック長などと呼ばれることもあります。
司厨が乗っている船では朝・昼・晩・(夜食)を司厨が毎日作ってくれるので、食事の心配をする必要はありません。
乗組員が5~7人乗りの船でも司厨が乗っている事がありますが、乗組員が10人前後から司厨が乗っていることが多いです。
司厨が乗っていない船では、毎日の食事を自分で自炊することになります。
毎月の食料金はどれぐらい支給されるの?
自炊の船では食料金が個人に支給されます。金額は船や会社によって様々ですが、求人情報を見ていると1日1,300円~2,000円ぐらいで募集が出ています。個人的には1,500円前後が相場かなと思います。
お米代や調味料を支給してくれる船もあれば、各自から徴収してまとめて買う船、完全に個人負担の船もあります。
国が調査した2023年度単身世帯の1ヶ月あたりの食費平均は約42,000円でした。
乗船中に仮に1日1,500円支給されるとして、月あたり45,000円になるので惣菜や既製品を使ってもそれなりに良いものを食べることができると思います。
どんな物を食べているの?
自炊の船内でみんなが食べているものは様々です。
レトルト食品やカップラーメン・惣菜と言ったものばかり食べている人や、料理が得意な人は毎食手の込んだ美味しそうな物を作っていたり、時間をかけずにちゃちゃっと作ったりしています。
炊飯器・IHコンロ・電子レンジ・オーブントースターなどの基本的な調理器具は用意されているので、やろうと思えば陸上に居る時と遜色ない食事を作ることができます。
自炊の船で大変なことは?
船の上での自炊で特に気を付けなければならない事が3つあります。
1.時化の時に料理を作りずらい
船が揺れない停泊中や凪の良い時は問題ありませんが、海上が時化ている時には料理を作るのが困難になります。
2.いつでも食材を買いに行けない
陸上では食材が無くなった時や、調味料を買い忘れた時にはすぐに買い物に行くことができますが、海の上では買い物に行けません。
普段より多くの食材をストックしておくことが大切です。
3.調理場を使うときに気を遣う
船内では他人との共同生活です。調理場を使う時間が他の人と重なった時は料理する時間をずらさなければなりません。
またコンロや流し場を長時間占有することも避けた方がいいです。
自炊船でおすすめの食料
1.【必須】プロテイン
昔家庭科の授業でも習いましたが、人間が生きていくのに必要な3大栄養素は「炭水化物」「タンパク質」「脂質」です。
インスタントラーメンやお菓子を食べていても炭水化物と脂質は摂取できますが、タンパク質は圧倒的に不足します。
プロテインを飲めば手軽にタンパク質が摂取できますし、調理する時間も必要ありません。
また、船上では体を動かすことが多いので疲労回復の為にもプロテインを摂ることをおすすめします。
2.【必須】マルチビタミン
不足しがちなビタミンを補うために、毎日マルチビタミンを飲みましよう。
3.きのこ類
しめじやエノキ、舞茸といったきのこ類はビタミンの他に食物繊維も豊富に含まれています。
また、低カロリーなのでダイエット中の方にもおすすめです。
また、しめじやエノキなどのきのこ類は冷凍して保存することができます。
下処理をしてまとめてジップロックなどに入れて冷凍しておけば、使いたい時にサッと取り出して使用することが出来るので、調理時間の短縮になります。
4.さつまいも
さつまいももビタミンと食物繊維が豊富に含まれています。
常温で保存することができ、食べたい時は炊飯器に少しの水と一緒に入れて炊飯ボタンを押せば美味しいふかし芋が簡単にできます。コンロや鍋を使う必要がなく、時化の時にも調理ができるのでおすすめです。